渋野日向子の今年最後の日本での大会は64位に終わる(資料写真:Penta Press/アフロ)
渋野日向子の今年最後の日本での大会は64位に終わる(資料写真:Penta Press/アフロ)

米ツアー初年度を「70点」と自己採点した渋野日向子の光と影

 この試合の予選Rの2日間は、それほど暑くはなかったが、氷嚢を携帯してプレー。頭や首筋を冷やし、咳もするなど明らかに体に異変をきたしていた。新型コロナの時代ながら、米ツアーは日本のツアーと異なりPCR検査も検温も義務付けられていない。裏を返せばすべては自己判断。同伴競技者からはクレームもあったという。
 ただ、今回の「TOTOジャパンクラシック」で来日した全米女子プロゴルフ協会(LPGA)の広報スタッフに尋ねても、「そんな事実は把握していない」と素っ気ない答えが返ってきただけ。あまりによそよそしい対応に深読みもしたが、とにかくおとがめはなし。ただ、渋野の状態は上向くことなく、その後も「エビアン選手権」などで予選落ちが続いた。
 8月の「AIG全英女子オープン」はV字回復の3位となったが、その後は再び予選落ちが続いた。それでも「今年も第一目標はシードを取ることで、次は最終戦とTOTOジャパンクラシックに出ること。考えたらクリアしたんですね。じゃあ良かった。悔いは残るけど、点数をつけるなら70点ということにします」と自らに及第点をつけた。
 日本ツアーとは比べものにならない移動距離、米国には国内でも時差がある。「慣れない環境で、ゴルフ以外にもいろいろ大変さは感じた」。その辺りも踏まえて来季に向けての課題には「英語がもっと話せるようになりたい」と真っ先に口にした。
 同じく米ツアールーキーで初優勝も果たした古江彩佳は外国人キャディーとの良好な関係を築いているが、「いずれはと思うけど、今はまだ」と来季も日本からプロキャディーを呼び寄せたり、女性マネジャーにバッグを担いでもらう方針は変えないという。
「一から全部頑張らないといけない。まだまだやれることはたくさんあるので、前向きな気持ちになれる」
 迷いながらも目標は達成した一年。課題は伸びしろ。そう考えれば、来年は優勝も期待できる。

関連記事一覧