中央大は6位に入り10年ぶりのシード権を獲得。アンカーの井上大輝(右)は駒大の青柿響と一時デッドヒートを演じた(写真・アフロ)
中央大は6位に入り10年ぶりのシード権を獲得。アンカーの井上大輝(右)は駒大の青柿響と一時デッドヒートを演じた(写真・アフロ)

青学大圧勝Vの裏で広がる箱根駅伝の“格差“…人気校はさらに強く予選会校は留学生頼み

トップの青学大は現在の3年生世代も1位だった。今回の箱根駅伝では3区太田蒼生、5区若林宏樹の1年生コンビが大活躍。3年生は花の2区を好走した近藤幸太郎、7区で区間賞を獲得した岸本大紀、9区で区間賞・区間新の中村唯翔、10区で区間賞・区間 新の中倉啓敦がいる。

 なお2年生世代は駒大がトップで、4年生世代は早大がトップだった。帝京大のように入学時のレベルが高くなくても5年連続でシード権を確保しているチームもあるが、箱根駅伝で上位に君臨する大学の多くは入学時の選手のレベルが極めて高い。4年間とい う限られたなかで勝負することを考えると、有力高校生の獲得はチームビルディングに大きく影響している。

 また箱根駅伝に出場している大学の選手は次の4つに分類される。

<1>授業料免除+奨学金<2>授業料免除<3>スポーツ推薦<4>一般入試(スポーツ推薦以外)だ。たとえばケニア人留学生は<1>授業料免除+奨学金の条件で入学していると考えていいだろう。  スポーツ推薦(授業料免除も含む)の枠は各大学によって異なるが、数枠しかない早大を除けば各校10人前後に設定されていることが多い。<1>や<2>の条件がほとんどない大学がある一方で、高卒の初任給を上回るような奨学金を準備している大学もある。大学によって“入学条件”はかなり異なる。

 ただ言えることは、高校生のスカウトは年々ヒートアップしており、箱根駅伝の実績が乏しい大学や、ノンブランド校は“条件面”が高い傾向がある。そうしないと有力ランナーに見向きもされないからだ。逆にいえば、青学大、中大、明大などのブランド校や、駒大、東洋大などの強豪校は人気が高い。  条件面を釣り上げても有力選手が入学してくれないチームはどうするのか。そうなると留学生ランナーに頼らざるを得ない。

 今大会は過去最多となる6人の留学生選手が出場。予選会にも過去最多の12人が出走している。予選会では留学生がタイムを稼いで、他の日本人選手が集団走で確実にゴールするという戦術が確立されつつある。ただし、そのような方法で予選会を突破しても、本戦 でシード権を獲得するのは難しい。  今回、留学生がいるチームでは東京国際大(5位)と創価大(7位)がシード権を獲得した。留学生が2区を務めたが、東京国際大は3区丹所健(3年)が区間賞、創価大は4区嶋津雄大(4年)が区間賞を獲得するなど日本人エースの存在も大きかった。

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