青学大の5区“山”に抜擢された1年生の若林宏樹も力走した(写真:松尾/アフロスポーツ/日本スポーツプレス協会)
青学大の5区“山”に抜擢された1年生の若林宏樹も力走した(写真:松尾/アフロスポーツ/日本スポーツプレス協会)

箱根駅伝往路をパワフルに制した青学大は“意味深ツイート戦略”で復路も逃げ切れるのか?

 第98回箱根駅伝の往路が2日、東京・千代田区大手町から神奈川・箱根町までの5区間107.5キロで争われ青学大が5時間22分6秒で2年ぶり5度目の往路優勝を飾った。  原晋監督が「パワフル大作戦」を発令した青学大。往路はアオガクがとにかく強かったが、2区までは連覇を目指す駒大も“理想の展開”だった。

 1区唐澤拓海(2年)が2位で好発進すると、2区田澤廉(3年)が区間歴代4位の1時間6分13秒でトップを突っ走る。絶対エースは5人のケニア人留学生を抑えて区間賞を獲得して、後続に1分以上のリードを奪った。

 青学大は1区志貴勇斗(2年)が唐澤と6秒差の5位でスタート。2区のエース近藤幸太郎(3年)は田澤に1分近く引き離されるも、3人を抜いて2位に浮上した。駒大と青学大で明暗をわけたのは3区と4区だった。

 駒大の3区は出雲駅伝(2区3位)と全日本大学駅伝(6区2位)で好走した安原太陽(2年)、対する青学大は学生駅伝初出場となる太田蒼生(1年)。キャリアで上回る安原だが、思うようにペースが上がらない。太田は17秒後方から上がってきた東京国際大・丹所健(3年)に食らいつくかたちで、1分02秒先行していた駒大を猛追。12.0kmで駒大に追いつくと、安原をじわじわと引き離していく。さらに18.3kmで丹所を突き放して、真っ先に平塚中継所へ駆け込んだ。

 太田は区間歴代3位の1時間1分00秒をマーク。この激走が2人目のルーキーの快走を生むことになる。「ちょうどタイミングよく丹所君が来て、引っ張ってもらえた。丹所君に『ありがとう』と言いたいですね」と原監督。運も味方につけた。一方の駒大はトップから5位に転落。4区でも負の流れを食い止めることができなかった。

 青学大は4区の主将・飯田貴之(4年)が区間3位の走りでライバル校を引き離す。2位東京国際大とのリードを12秒から1分37秒に拡大。全日本大学駅伝のアンカー対決で惜敗した駒大・花尾恭輔(2年)にも56秒の大差をつけた。駒大は4区で反撃しておきたかったが、逆に順位を6位に落とすことになった。  独走態勢に入った青学大は5区若林宏樹(1年)が素晴らしかった。上りに強く、10000mでも28分27秒72を持つが、出雲駅伝は4区で区間6位、全日本大学駅伝は6区で区間12位。原監督は「不安半分」と話していたが、「青学大で『山の神』にならないか!?」という言葉で口説き落とした期待のルーキーが躍動した。

 

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