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開会式にはBTSのジョングクさんが登場。公式ソングを熱唱した(写真:新華社/アフロ)
開会式にはBTSのジョングクさんが登場。公式ソングを熱唱した(写真:新華社/アフロ)

混乱のカタールW杯開幕戦…チケット高騰にスタジアム周辺が大渋滞…史上初の開催国初戦黒星に地元サポーターはそっぽ?!

 試合に先駆けて行われた開会式。華やかなカクテル光線に支配されるピッチで、世界的な人気を誇る韓国の男性音楽グループ、BTSのジョングクさんが大会の公式ソングを披露。歴代のW杯を彩ってきた大会マスコットも一堂に会し、スタジアム全体を大いに沸かせた。
 しかし、開会式に間に合わなかったチケット保有者やメディアもいた。
 アルベイト・スタジアムの周辺では、キックオフの3時間ほど前から大渋滞が発生。筆者が利用したメディアシャトルバスも、通常ならばドーハ市内から1時間あまりで到着するはずが、開幕戦へ向かう往路に限っては実に2時間半近くも要してしまった。
 メディア席へたどり着いたのは開会式が始まる直前だった。スタジアムが見えているのに、いっこうに近づかない。時間だけが過ぎていく状況に、シャトルバスの車内では大声をあげながら、途中下車を求める外国人メディアも数多く現れたほどだった。
 アルベイト・スタジアムはドーハから北へ約60kmに位置し、試合が開催される8つのスタジアムのなかでは最も離れている。交通手段はバスかタクシーに限定されるなど、最もアクセスが難しいスタジアムとなる。今後も27日(日本時間28日未明)のスペイン対ドイツなど8試合が予定されているだけに、開幕戦を上回る渋滞が発生する可能性も否定できない。
 一夜明けた21日からは、グループステージが本格的にスタートする。
5つのスタジアムは三菱重工業など日本の4社とフランス企業が共同で建設し、2019年5月に開業した地下鉄「ドーハ・メトロ」の駅が最寄りにある。しかし、期間中は通常の倍の6両編成にするとはいえ、120万人以上の来訪が見込まれる大会中の混雑ぶりは現時点で想像がつかない。
さらに、開幕を直前に控えた18日にFIFAが発表した、スタジアム内および周辺でのビールの販売禁止の影響もある。一時は認められていた販売をカタール政府が急変させた一件を、サッカー観戦とビールをセットでとらえるヨーロッパのサポーターはどのように受け止めるか。
 特に21日にはサポーターが無類のビール好きで知られる、オランダとウェールズ、そしてイングランドがそれぞれグループステージ初戦に臨む。約3000人のサポーターがカタール入りする予定のイギリスは、不測の事態に備えて仲介役となる警察官を派遣する。これまでの大会とはまったく異なる顔を早くものぞかせながら、中東で初めて開催されるW杯はヒートアップしていく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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