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中国戦との開幕戦は“二刀流”大谷翔平の投打における活躍で突破したが世界一奪回への課題も残した(写真・CTK Photo/アフロ)
中国戦との開幕戦は“二刀流”大谷翔平の投打における活躍で突破したが世界一奪回への課題も残した(写真・CTK Photo/アフロ)

球界大御所は「WBCで侍ジャパンの優勝は難しい」と激辛見解…岡本の「最高です」7連発のお立ち台に「なんだあれは?」

 しかし、広岡氏は、ある条件を満たせば、大きな壁を突き崩す可能性はあると見ている。
「投手陣は佐々木と山本がいい。佐々木のストレートは走っていたし打者に向かっていく姿勢が良かった。メジャー相手にどれだけ通用するか楽しみだし、山本にも安定感がある。第2先発としては今永がいい。ストレートが伸びていて滑るはずの公式球を見事に操っていた。だが、計算が立つのは、この3人だけ。準決勝で、佐々木、今永とつないで次は誰になるのか。大勢は、左打者への対応に不安が残った。投手陣で言えば、そこが勝敗の分かれ目になると思う」
 広岡氏はチェコ戦で最速164キロをマークし8つの三振を奪った千葉ロッテの佐々木朗希と、豪州戦で4回を投げ1安打しか許さなかったオリックスの山本由伸、そして第2先発として起用された韓国戦では1失点したが、イタリア戦では1イニングを2三振を含む3人斬りで締めた横浜DeNAの今永昇太の3人を高評価。準決勝で先発を予定されている佐々木、第2先発予定の今永に続く、3人目、4人目の投手がカギだと指摘した。
 一方、打線の方は「日本らしくいかにつなぐかが重要だ」という。
「吉田のバットスイングはメジャーと遜色がなく、自分の状態をチェックする力があり、選球眼が素晴らしい。そこは近藤にも共通する部分。ヌートバーもパワーはないが日本流でコンタクト率も高くファイトを見せている点は評価できる。緊張と力みで本来の力を発揮できていない村上も5番になったイタリア戦でふっきれたように思う。ただ殴り合うような野球では勝てない。まだ四つに組んで打ち合いを挑んで勝てる段階にはない。問題は、これだけのメンバーの打線をどうつなぐか。そこが日本らしさ。ここまでの戦いでは日本らしさというものは出ていない。相手が相手だけに栗山の仕事も、どう打順を組むか、どう投手を配分するかだけで采配をふるう場面もなかった。ここから先は彼の采配がポイントになってくる」
 小細工のできる打者は源田くらいしか見当たらないが、広岡氏は、「選手に丸投げ」の野球で世界一の座を奪回することは難しいと見ている。
「今回のWBCの日本での盛り上がりは、日本の野球界の底辺を拡大することにつながっていくとは思う。もちろん今季のプロ野球にもつながる。それだけに東京ドームから環境もガラっと変わるアメリカで、どんな戦いをするのかを楽しみにしている」
 メジャー通でもある広岡氏は最後に本音を漏らした。史上最強の侍ジャパンが、バリバリのメジャー軍団を向こうに回して、どこまでやれるかを見てみたいのである。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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