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メキシコの1番を打つレイズのアロザレーナが要注意打者だ(写真:UPI/アフロ)
メキシコの1番を打つレイズのアロザレーナが要注意打者だ(写真:UPI/アフロ)

侍ジャパンは「日本が優勝候補であっても恐れない」と監督が言う“メキシコ旋風”を止めることができるのか…過去の対戦は7勝2敗

 WBCの準々決勝、メキシコ対プエルトリコが17日(日本時間18日)、米国マイアミのローンデポ・パークで行われ、メキシコが5-4で逆転勝ちした。侍ジャパンはメキシコと20日(日本時間21日)に当地で準決勝を戦う。米メディアの見方は日本有利だが、初の4強入りを果たしたメキシコのベンジー・ギル監督(50)は「日本は優勝候補となっているが恐れることはない」と宣言。ギル監督は大谷翔平(28)が所属するエンゼルスの三塁コーチで先発には“同僚”の左腕パトリック・サンドバル(26)が予定されている。日本とメキシコの過去の対戦成績は日本の7勝2敗だ。

 母国の英雄であるボクシング元世界王者チャベスの戦いに重ねる

 

日本の相手は、今大会で“旋風”を起こしているメキシコとなった。
 1次ラウンドで優勝候補の1チームにあげられていた米国を元オリックスのジョーイ・メネセス(ナショナルズ)の2発5打点の活躍などで撃破。勢いにのるメキシコは準々決勝で、不利との下馬評を覆してプエルトリコに逆転勝ちを収めた。先発には昨年、防御率2.16で最優秀防御率タイトルを獲得したドジャースの左腕フリオ・ウリアスを立てたが1回に2018年の打点王、ハビアー・バイス(タイガース)、エディ・ロサリオ(ブレーブス)の連続ホームランなどで、いきなり4点を失う大劣勢の展開だった。 
 だが、粘り強く、その後の追撃を封じ、7回二死満塁から最初の打席で本塁打を放っているアイザック・パレデス(レイズ)がレフト線に執念の同点タイムリー。さらにルイス・ウリアス(ブリュワーズ)がライト前への逆転タイムリーで続き、最後は、一時期カージナルスで守護神を務めたジョバンニ・ガエゴスが1点を守り切った。
 試合後のギル監督は、「素晴らしいゲーム。とてつもないゲーム。選手は決してあきらめず、最後の瞬間まで戦い続けた」と興奮気味に話し、マイアミ・ヘラルド紙によると、母国の英雄であるボクシングの元世界王者フリオ・セサール・チャベスの1990年の戦いを重ねたという。
 当時WBC世界スーパーライト級王者だったチャベスはIBF世界同級王者のメルドリック・テーラー(米国)と2団体統一戦を戦い、11ラウンドまでポイントで大きく負けていたが、最終ラウンドの残り20秒で劇的な逆転TKO勝ちを収めていた。ギル監督は「偉大なるヒーローの1人の戦いが頭にあった。彼は、あの戦いで前に進み続け、最後に勝利を収めた。メキシコのチームは決して屈しないのだ」と語り、メキシコ人の強いメンタリティーを自画自賛した。 
 日本とメキシコとは、浅からぬ関係にある。2006年の第1回大会の2次リーグで、メキシコには6-1で勝ったものの、米国、韓国に2敗して、ここでの敗退が濃厚だったが、メキシコが2得点以上して米国に勝ったため、大逆転の2次リーグ2位での準決勝進出が決定。初の頂点に上り詰めることになったのだ。いわば大恩人である。2016年、2019年と2度強化試合の相手として招待している。

 

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