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メキシコの1番を打つレイズのアロザレーナが要注意打者だ(写真:UPI/アフロ)
メキシコの1番を打つレイズのアロザレーナが要注意打者だ(写真:UPI/アフロ)

侍ジャパンは「日本が優勝候補であっても恐れない」と監督が言う“メキシコ旋風”を止めることができるのか…過去の対戦は7勝2敗

 ギル監督は、日本戦の先発マウンドにサンドバルを送り込む。大谷のキャッチボール相手を務めるエンゼルスのローテーの2番手左腕だ。
 昨年は27試合に投げて6勝9敗の成績に終わったが、大谷同様、打線の援護がなく勝ち星に恵まれなかったもので、防御率は2.91をキープ。150キロを超えるストレートに加え“必殺”のチェンジアップを駆使してくる。 
 対左打者の被打率は.151で、1番から5番まで左が並ぶ日本打線は攻略に苦労するのかもしれない。
 ブルペン陣は、マイナーリーガーが多く、日本に比べると力は落ちるが、昨年メッツで12勝5敗、防御率3.49の成績を残してフィリーズと4年総額7200万ドル(約95億円)で契約したタイワン・ウォーカーか、昨年13勝8敗、防御率3.94でアストロズの世界一に貢献したホセ・ウルキーディのどちらかの本来は先発投手を2番手として投入してくるだろう。9回には、2年連続14セーブのガエゴスが控える。
 また打線にも要注意バッターが並ぶ。リードオフマンのランディ・アロザレーナ(レイズ)が、その筆頭だ。キューバからの亡命選手で、その亡命先がメキシコだったことから、今回メキシコ代表で出場することになった。2021年の新人王で、2年連続で20本塁打、20盗塁をマークしている。パワーとスピードを兼ね備えた万能プレーヤー。プエルトリコ戦はスーパーキャッチも見せた。今大会は絶好調で打率.471、1本塁打、9打点、出塁率.625、得点圏打率.571の数字を残す。28歳だがチームの精神支柱だ。
 2019年にオリックスに入団したもののドーピング違反と怪我があり29試合で退団したメネセスがメキシコの勢いの象徴だ。昨年8月に30歳でメジャー昇格したオールドルーキーだが、56試合で13本塁打をかっとばした。今季のメジャー定着にかけており、WBCを絶好のアピール舞台と考えている。巨漢の4番打者のロウディ・テレス(ブリュワーズ)は、昨年35本塁打。穴のある左打者で、先発の千葉ロッテの佐々木朗希が膝元にスプリットを落とせば、バットはクルクル回るが、スッポ抜けるなどの失投が怖い。5番のパレデスも昨年20本塁打。下位打線に迫力がないのがメキシコの弱点だが、プエルトリコ戦では9番打者のオースティン・バーンズ(ドジャース)が2安打してアロザレーナにつなげた。佐々木は先頭のアロザレーナを出塁させないことと、下位打線を完璧に封じ込んでおくことに注意したい。
 ギル監督の言葉通り、ミスをした方が敗退する「集中力」が勝敗をわけるポイントになるのかもしれない。

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