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阪神が今季初の甲子園でのGT戦で「2番梅野」の奇策を打ったが不発に終わり4-8の完敗
阪神が今季初の甲子園でのGT戦で「2番梅野」の奇策を打ったが不発に終わり4-8の完敗

不発に終わった岡田阪神の「2番梅野」は間違っていたのか…勝敗分けた島田と佐藤の記録に残らなかった2つのミス

 打線の流れを考えたとき、不振の梅野にそのまま下位を打たせるより、2番でバント、右打ち、エンドランなどの“つなぎ”のバッティングをさせて得点圏打率の高い中野で、走者を返そうという考えがあったのだろう。そういうシチュエーションで、梅野に打席が回ってこなかったのが誤算だろうが、つなぎの打撃を意識する中で、体を開き、強引に引っ張る傾向の目立っていた梅野の課題が修正されていく期待もあったという。決して2番梅野が間違いだったわけではない。
 2021年にヤクルトが優勝したシーズンの序盤に青木の新型コロナでの離脱などの事情もあり、高津監督が、捕手の中村を30試合以上に2番に起用して成功したことがあった。当時、評論家だった岡田監督は、「ひと昔前の野球なら、足もない右打ちの捕手の2番起用は考えられんかったことやけど、4番に村上がいるから、どうすることが一番得点になるかの確率を考えての起用なんやろな。つながればビッグイニングになるからな」と全否定せずに関心を示していたことがある。
 岡田監督が、他監督の采配をヒントにすることは、ほぼないが、打順の理論はシンプル。ズバリ確率論である。まず4番を決めて、あとは、いかに並べれば、得点確率が高まるかを独特の感性ではめ込んでいく。打順が下がれば、不振の打者が気分的に楽になって復調するなどといった狙いがあったわけではない。今のメンバーと各時の調子を考慮して、どうすれば得点確率が上がるかを考えた結果なのだ。
 岡田監督の基本線には、1番近本、4番大山、5番佐藤があり、どう組み替えるかに注目していたが、選択したのは、2番梅野、3番中野、5番ノイジー、6番佐藤という苦肉の策だった。
 2番梅野にフォーカスされるゲームではあるが、敗因は、岡田阪神のテーマである“守りの野球”に綻びが出たことだろう。
 コントロールの悪さを修正できなかった先発の西勇は3回に岡本のタイムリーで1点を失い、さらに一死一塁から大城にライトへ痛打され、そのライナー性の打球に突っ込んできた島田が後逸。タイムリー三塁打にしてしまった。ラインドライブのかかった難しい打球。ヒットになるのは仕方なかったが、止めておかねばならない打球だった。
 記録は三塁打となったが、防ぐことのできたミス。二死三塁となって秋広をカウント途中で申告敬遠して、戸郷との勝負を選んだが、バットを折りながらも、ショートの頭を越され、さらにオコエにもタイムリーを許すなど大量4点を失うことになった。

 

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