なぜ三笘薫のビッグクラブへの移籍が消えブライトンとの契約延長が濃厚となっているのか…英メディアが報道
プレミアリーグのブライトンに所属する日本代表MF三笘薫(25)が、ビッグクラブへの移籍ではなく契約延長の方向で進んでいることを英メディアの「Football Insider」が25日(日本時間26日)に報じた。アーセナルなどのビッグクラブから興味を示されている状況で、なぜ2025年6月末まで結んでいるブライトンとの契約がさらに2年間延長するプランが濃厚となっているのか。また敵地で同日に行われたノッティンガム・フォレスト戦に三笘は先発でフル出場したが、ゴールに絡めずチームも1-3で逆転負けを喫した。
報酬は少なくとも2倍に
悪夢の逆転負けに、三笘は敵地のピッチでぼう然と立ち尽くした。
キックオフ前で降格圏の19位にあえでいたノッティンガム・フォレストとの一戦。先制点を奪いながらオウンゴールやPKなどで3点を連続で献上した。三笘自身も同点で迎えた後半13分にカウンターから迎えた絶好のチャンスで右足から強烈な一撃を放った。しかし、カタールW杯でも苦杯をなめさせられたコスタリカ代表の守護神ケイラー・ナバスに防がれてしまった。
PK戦にもつれ込んだ末にマンチェスター・ユナイテッドに屈した、23日のFAカップ準決勝に続く痛恨の黒星。来シーズンのヨーロッパのカップ戦で戦う、クラブ史上初の夢が遠のきかけたなかで、しかし、三笘をめぐる状況は水面下で慌ただしく動いていた。
ノッティンガム・フォレスト戦を翌日に控えた25日(日本時間26日)に、移籍や契約情報を中心に報じるイギリスのサッカー専門メディアの「Football Insider」が、タイトルに「ブライトンが三笘薫との契約延長に近づいている」と打った記事を掲載した。
チームの情報筋の話をもとにした記事は次のように伝えている。
「ブライトンは三笘薫と新たに長期契約を結ぶことに自信を持っている。25歳の日本代表選手との契約延長は、素晴らしい2022-23シーズンが終わりに近づいているなかで、シーガルズ(ブライトンの愛称)が優先して進めるべき事項のひとつだった。これまでもアーセナルをはじめとするビッグクラブが、来シーズンの獲得に興味を抱いていると報じられてきたウインガーを引き留めようと、ブライトンは3月から契約延長へ向けた交渉をスタートさせていた。ただ、三笘本人は(本拠地の)アメックス・スタジアムに満足していると見られていて、三笘に近い関係者はわれわれに対して、今夏の移籍ウィンドウで『ブライトンを去ることを急がない』と語った」
三笘は川崎フロンターレから2021年夏にブライトンへ完全移籍で加入。就労ビザの関係で2021-22シーズンはベルギーのユニオン・サンジロワーズへ期限付き移籍。武者修行をへて復帰した今シーズンの後半戦で、プレミアリーグを驚かせる大ブレークを演じている。
ブライトンとは2025年6月末までの4年契約を結んでいる。同メディアは以前にも三笘との契約をさらに2027年6月末まで2年間延長し、その上で週給1万ポンド(約166万円)とされている三笘の報酬を、少なくとも2倍にすると報じてきた。
三笘以外の主力選手とも、ブライトンは契約延長に動いている。
今年3月以降だけでも、エクアドル代表MFモイセス・カイセドと2027年6月末まで、右ウイングのソリー・マーチと2026年6月末まで、ユーティリティープレーヤーのMFパスカル・グロスと2025年6月末まで次々と契約を延長。25日には18歳の大型ストライカー、アイルランド代表のエヴァン・ファーガソンと2028年6月末まで契約を延長したと発表された。
もっとも、契約を延長したからといって、期間内はブライトンに留まるとは限らない。たとえばカイセドには1月の移籍市場で、アーセナルから最終的に7000万ポンド(約116億円)の移籍金が提示され、カイセド本人も移籍を望みながら交渉は決裂している。
しかし、一転して今夏の移籍を認める方針を示し、同メディアはマンチェスター・ユナイテッドが8000万ポンド(約132億5000万円)もの移籍金を用意したと12日に報じた。アーセナルとの交渉でブライトンが要求し、最終的に破談となった金額と同じだ。