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巨人広岡とオリックス鈴木の電撃トレードが発表された
巨人広岡とオリックス鈴木の電撃トレードが発表された

巨人・広岡とオリ鈴木の電撃トレードへの賛否…好意的意見多数も巨人大物OBは田口と交換で獲得した“ポスト坂本”を育てきれなかった原監督の手腕を問題視

 広岡は2015年のドラフト2位で智弁学園からヤクルトに入団したが、2021年3月に田口との交換トレードで巨人に移籍した。“ポスト坂本”として期待を寄せられ、中日の“大野キラー”として存在感も示したが、1軍定着とはならず今季も開幕は2軍スタート。4月29日に1軍昇格したが、9試合で、打率.214、1本塁打、2打点に終わり、14日に再び2軍落ちしていた。13日の広島戦で延長11回に代打で起用されたが三振、そのまま三塁守備で残り、12回一死満塁のサヨナラ機に再び打席が回ってきたが、また不甲斐ない三振に倒れ、原監督に見切りをつけられる決定打となったのかもしれない。内野では、門脇、中山、外野では秋広といった若手が台頭。ファームでも慶大からドラフト2位で入団した萩尾が打率.340、3本塁打、30打点と結果を残しているため、広岡の立場が、危うくなっていたことも事実。
 大阪出身の広岡にとっては、オリックスは地元への凱旋となり、心機一転、覚醒するチャンスかもしれず、「ジャイアンツでの2年半は素晴らしい指導者、スタッフ、先輩・後輩そしてファンの皆様に恵まれました。ジャイアンツでプレーできたことを誇りに思い、これからの野球人生にしっかり生かせるよう頑張ります」と、前向きにトレードを受け入れた。
 今回のトレードに関してファンの意見はおおむね好意的だ。
 余剰戦力だった選手がチームが変わったことで活躍している現役ドラフトの成功もあって、立場の似た2人の新天地での変身への期待も大きい。
 ネット上でも「ウインウインのいいトレード」「才能を発揮できなかった選手が、それぞれの地元に帰って心機一転、ブレイクが期待できるかも」などの声が多くを占めた。
 ただ一方でトレードに出した田口が、ヤクルトで守護神を務めるなどの大活躍を見せているにもかかわらず、交換要員の広岡を育てきれなかった原監督の手腕に対する批判の意見もある。
 巨人の大物OBで西武、ヤクルトで監督を務めた広岡達朗氏も「なぜ巨人は才能のある若手を育てることができないのか」との疑問を呈していた。
「稀有なパンチ力と身体能力もある広岡の才能をなぜ生かせないのか。崩壊している中継ぎは、なんとかしなければならないし、150キロをバンバン投げてくるオリックスの投手陣は、巨人とは対照的に魅力で、そこに目をつけたのは間違いではないが、そもそも田口を出してまで獲得した好素材を育てきれなかったことに巨人が抱えている大きな問題がある。ようするに監督、コーチが教育できず指導力がなかったということ」
 わずか2年で広岡を見切った巨人の体質を批判した。
 このトレードの成否は、今後の結果で示される。
 だが、広岡氏が指摘した才能のある若手を育てきれないという巨人の内側にある問題点から目を背けてはならないだろう。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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