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発表された2026年北米W杯のロゴ。自由に色付けすることが可能の新発想だが、あまりにもシンプルなデザインに賛否の声が(写真・AP/アフロ)
発表された2026年北米W杯のロゴ。自由に色付けすることが可能の新発想だが、あまりにもシンプルなデザインに賛否の声が(写真・AP/アフロ)

「失敗作だ」「過去最悪」2026年北米W杯の“シンプルすぎる”異色の公式ロゴを巡って世界で賛否の声

  国際サッカー連盟(FIFA)が発表した2026年W杯の公式ロゴが波紋を呼んでいる。開催国の文化などが反映されて特色のあった歴代の大会のロゴに比べて、2026年にアメリカ、カナダ、メキシコで共同開催される北米大会のそれは、黒地に白文字で「26」と開催年が大きく記され、中央に優勝トロフィーの写真がコラージュされたシンプルなもの。開催都市ごとに自由に色などを付けていいという新発想のロゴだが、発表から一夜明けた18日(日本時間19日)に欧米メディアやファンの間からは「貧弱すぎる」「何て失敗作だ」などいう厳しい声を含めた賛否が巻き起こっている。

 W杯トロフィーの写真をコラージュ

 

 FIFAが発表した自信作のロゴが世界へ波紋を広げた。
 米ロサンゼルスのグリフィス天文台で17日に行われた、2026年北米W杯の公式ブランド発表会見。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長(53)、元ブラジル代表FWロナウド氏(46)から、お披露目された2026年W杯のロゴは、ある意味、世界へ衝撃を与えた。
 大会の象徴となるロゴは、黒地に白文字で「26」と開催年が縦に大きく記され、中央に優勝トロフィーの写真と「FIFA」の文字が配置されていた。開催国の文化や特徴などが反映されてきた歴代大会のロゴと比べて、極めてシンプルなデザインだ。
 例えば日本と韓国で共同開催された2002年大会は、地球とサッカーボールをイメージした円に、アジアで初めて開催されるW杯の多彩さを表現するために緑、黄、白、赤、青、金の6色が使われていた。まだ記憶に新しい昨年のカタール大会のロゴは、伝統衣装のウールショールなどからヒントを得た、アラブ文化を象徴するデザインとなっていた。
 対極に位置するロゴを冠する2026年大会を、インファンティーノ会長は「これは新しい時代のための新しいW杯だ。それはゲームチェンジャーだ」と位置づけた。
「歴史上最大の瞬間、世界中がひとつになる瞬間へみなさんを歓迎します。そして、私たちは全員が団結して、みなさんの信念とアイデンティティーをもたらすために、このトーナメントを一緒にプレイします。いままでにないほど世界中をひとつにします」
 崇高な目的意識は伝わってくる。
 3カ国にまたがる開催都市は、文化や歴史的背景、風土のすべてが異なっている。そうした状況下でFIFAは極めてシンプルなロゴをベースとしながら、ホスト都市ごとに自由な発想で色づけをしてほしいと今回のブランディングに込めた狙いを説明している。
 W杯公式ツイッター(@FIFAWorldCup)ではさっそく、カラフルな配色や背景デザインが施された16通りのデザインが、アトランタからバンクーバーまでアルファベット順に発表されている。一大会でひとつのロゴを用いるのではなく、今後も随時新たなデザインを発表していく点で、インファンティーノ会長は「ゲームチェンジャー」と胸を張ったわけだ。
 しかし、ファンや欧米メディアの反応は芳しくはなかった。
 アメリカ唯一の全国紙「USA Today」は「時代を超越しているのか。それとも、当たり障りがなさすぎるのか。反応は賛否両論」と題した記事を掲載。開催国の一角を担う次回大会へ向けたFIFAのブランディングを、批判に重点を置きながら取り上げている。
「FIFAはこのブランディングを『timeless』と説明している。しかし、残念ながら多くのソーシャルメディアユーザーは発表されたロゴを気に入っていない。特に一部のサッカーファンは『too bland』とレッテルを貼って批判を展開している」
 ここで言及された「timeless」が、FIFAが主張する「革新的なデザインに形成される、世界的な大会へ向けた時代を超越したアプローチ」であり、対する「too bland」が「あまりにも淡泊すぎて、当たり障りのないように見える」というロゴへの物足りなさとなる。
 同メディアはさらに、SNS上で展開された別の批判も掲載している。
「3カ国を象徴するものにすべきだった。さあ(反対に)立ち上がろう」
「これは……あまりにも情けない」
「3カ国で共同開催するのに、これがベストだというのか」
 なかには緑、赤、青で「26」を形作ったノミネート作品を投稿。そのた上で「この方がずっとよかった。なぜこれが採用されなかったのか」と批判するツイートもあった。

 

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