• HOME
  • 記事
  • テニス
  • 「黙っていろ!」「最悪の血を追い払った」“ボールガール事件”のブズコバがシングルス4回戦で敗退もダブルスは初戦突破…SNSでは非難の投稿が続く
女子シングルス4回戦で敗れたブズコバだが女子ダブルスでは1回戦を突破した(写真・AP/アフロ)
女子シングルス4回戦で敗れたブズコバだが女子ダブルスでは1回戦を突破した(写真・AP/アフロ)

「黙っていろ!」「最悪の血を追い払った」“ボールガール事件”のブズコバがシングルス4回戦で敗退もダブルスは初戦突破…SNSでは非難の投稿が続く

 テニスのウィンブルドン選手権女子シングルス4回戦と同ダブルス1回戦が現地時間9日に行われ、先の全仏オープンで加藤未唯(28、ザイマックス)組の失格を審判に訴え、世界中から非難を浴びたマリエ・ブズコバ(24、チェコ)が登場。シングルスでは、マルケタ・ボンドロウソバ(24、チェコ)にフルセットの末に逆転負けを喫し、サラ・ソリベストルモ(26、スペイン)とペアを組んだ女子ダブルスではワン・シュ(22、中国)とリンダ・ノスコワ(18、チェコ)組にストレート勝ちした。速報で結果を伝える大会の公式ツイッターやブズコバの公式SNSには、今なお非難コメントが殺到する状況が続いている。

 フルセットの末同じチェコの若手に敗れる

 

渦中のブズコバがシングルスとダブルスで明暗を分けた。
 大会7日目の9日にまず臨んだのは、昨年に続くベスト8進出をかけた女子シングルス4回戦。4年前の全仏で準優勝、2年前の東京五輪では銀メダルの実績を持つ母国の同胞ボンドロウソバに6―2、4-6、3-6で無念の逆転負けを喫した。
 過去の対戦成績でも2戦2敗と、ブズコバは同世代のボンドロウソバを苦手としていた。それでも、第1セットでは、低く鋭いストロークと粘り強いフットワークで圧倒。第4、6、8ゲームを立て続けにブレイクするなど、わずか35分で先行したが、9分あまりに及んだ攻防の末にブレイクされ、2-3とリードを奪われた第2セットの第5ゲームを境に流れが変わった。
 体力の消耗が激しかったのか。ミスが増えてきたブズコバは、レフティーのボンドロウソバが繰り出す強打に翻弄され始めた。第2セットを落とすと、最終セットも第6ゲームから立て続けに4ゲームを奪われて力尽きた。2時間12分に及んだ熱戦を終えた直後には、お互いに笑みを浮かべながらネット越しにハグ。ウィンブルドンで初めてベスト8へ進んだ後輩へエールを送った。
 最後まで、ファイティングスピリットを前面に押し出した戦いぶり。ポイントを失ったボンドロウソバを何度も苦笑させた驚異的な粘り強さは、素晴らしかったが、全仏オープンから続いているブズコバへの“逆風”は収まらない。
 試合終了の瞬間の映像を引用しながら熱戦を伝えた大会公式ツイッター(@Winbledon)には、ボンドロウソバの勝利よりもブズコバを非難するリプライが多く寄せられた。
「最悪の血を大会から追い払った」
「ブズコバはローラン・ギャロスで起きたことに対して謝罪すべきだ」
「彼女(ボンドロウソバ)が私たちを救ってくれた」
 1球ごとにブズコバが発する叫び声に不快感を示すリプライもあった。
「誰か彼女に『黙っていろ』と言ってくれ。唸り声は致命的であり、とても迷惑だ。あまりにもうるさく、耐えられなかったので見るのをやめた」
 先の全仏オープン女子ダブルス3回戦で、第2セットのポイント間に加藤がボールガールに球をぶつけた直後に、ソリベストルモとともに激しく抗議。「わざとじゃないか?」と失格を主張した行為や、実際に失格が宣告された後に2人でほくそ笑んだ姿は、スポーツマンシップに著しく欠けているとして、世界中のテニス関係者やファンから非難された。
 “悪役”となったブズコバは、WTA(女子テニス協会)のアドバイスもあって、一時は自身のインスタグラム(@maryybou)を閉鎖するなど沈黙を貫いた。しかし、ウィンブルドン選手権へ向けてロンドン入りした今月上旬にSNSを再開。さらに母国チェコのメディアのインタビュー取材にも応じて失格騒動についての弁解や反撃を始めた。
 ほくそ笑んだ行為に対しては「私が文法的に正しくないスペイン語を言ってしまい、それをサラが笑ったのがまずかった」と弁解。自身が批判された状況には「彼女がすべてを引き起こし、私たちを敵に回し、さらに悪者にした」と加藤批判を展開した。

 

関連記事一覧