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右ヒジの靭帯を損傷した大谷翔平が今月上旬の検査を拒否していたことをGMが暴露した(写真・AP/アフロ)
右ヒジの靭帯を損傷した大谷翔平が今月上旬の検査を拒否していたことをGMが暴露した(写真・AP/アフロ)

「打者だけでも729億円」「何億も失う暗雲」米メディアは右ヒジ靭帯を損傷した大谷翔平の今オフFAへの影響を巡って論争

 エンゼルスの大谷翔平(29)が23日(日本時間24日)、本拠地で行われたレッズとのダブルヘッダーの第1試合に「2番・投手」で先発したが、2回途中に右ヒジの疲労を訴え、わずか26球で降板、試合後のMRI検査で右ヒジ内側側副靱帯の損傷で今季の登板が絶望となったことが発表された。第2試合には「2番・DH」で先発出場し、5打席立ち二塁打を放つなど打撃には影響がないことは明らかになったが、2度目のトミー・ジョン手術は避けられない状況で、今オフのFAへの影響を巡って、米メディアで様々な意見が飛び交い、論争が巻き起こる事態となった。

 「彼はまたマウンドに戻ってくる」

 

 大谷の右ヒジ内側側副靱帯損傷のニュースは全米に衝撃を与えた。わずか26球で降板。ストレートの最速は152キロに留まり、異常は明らかだったが、ダブルヘッダーの第1試合終了後に、MRI検査を受けた結果、右ヒジの内側側副靱帯の損傷が判明した。エンゼルスのミナシアンGMは、セカンドオピニオンを求めていることを発表したが、2018年以来、2度目となるトミー・ジョン手術は避けられない状況。メスを入れると少なくとも2025年まではマウンドには立てなくなる。
 それでも大谷は志願して第2試合に「2番・DH」で先発出場し、5打席立ち二塁打も放った。第1試合では44号もマークしている。前回のトミー・ジョン手術の際にも、打者としてのプレーに支障はなかった。大谷が打者としてプレーできる可能性が高いのは、まだ救いだが、今オフのFAへの影響を巡って米メディアでは様々な意見が飛び交う事態となった。
「打者だけとしても5億ドル(約729億円)の価値がある」
 そう論じたのは、オンラインメディアのジ・アスレチックだ。
 敏腕記者で知られるローゼンタール氏が執筆した記事で、「大谷は内側側副靭帯を損傷したが、球界最高の打者として留まる。彼は29歳でFAとなり、アーロン・ジャッジがFA市場に入った時よりも2歳若い。ヤンキースはジャッジに9年3億6000万ドル(約525億円)の契約を与えたが、彼には投げる可能性はなかった。大谷にはその可能性がまだある」と、ジャッジと比較して、トミー・ジョン手術を行ったとしても価値が変わらないことを主張した。
「大谷が2度目のトミー・ジョン手術を求められ、2024年に投げられなかったとしても彼がまたマウンドに戻って来るというのが最も有力な説だ。彼はメジャーの6シーズンで、すべての予測、期待に逆らい、彼への懐疑を繰り返し黙らせてきた。2度目のトミー・ジョン手術からの復帰の難しさは高くなるが、大谷はそれをまたもう1つのチャレンジとして見ていくだろう」と前向きにとらえた。
 MLB公式サイトは、2度のトミー・ジョン手術を受けて復帰に成功した例としてレンジャーズのネーサン・イオバルディがいて、他にも、現在、ドジャースのウォーカー・ビューラー、ブルージェイズの柳賢振、レンジャーズのジェイコブ・デグロムらが2度の手術からの復活を目指していることを紹介している。
 一方で悲観的な見方をするメディアも少なくなかった。

 

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