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岡田阪神がドラフトで狙うのは夏の甲子園で活躍した智弁学園の松本大輝外野手だ(写真・日刊スポーツ/アフロ)
岡田阪神がドラフトで狙うのは夏の甲子園で活躍した智弁学園の松本大輝外野手だ(写真・日刊スポーツ/アフロ)

岡田阪神がドラフトで狙う“甲子園の星”は…U-18W杯日本代表には選出されていない“あの”大型スラッガー

 阪神がドラフトの上位指名候補として今夏の甲子園で活躍した智弁学園の右投げ左打ちのスラッガー松本大輝外野手(17)をリストアップしていることが4日までに明らかになった。松本は台湾で開催中のU―18W杯の日本代表メンバーには選ばれていないが、高校通算32発のパンチ力と打撃センスに加えて肩と足もある。外野手として3拍子揃ったその才能に目をつけたもの。阪神では今季の出場機会が増えた前川右京外野手(20)の2年後輩にあたる。松本は、将来的にはプロを目指しているものの、進学を希望しており、プロ志望届を出すかどうかに注目が集まる。

 前川右京(智弁学園)の2年後輩

 

 18年ぶりの“アレ”に向けて着実にマジックを減らし「15」としている阪神が10月26日に開催されるドラフトの戦略を固め始めた。野手の上位指名候補としてリストアップしたのが、現在台湾で開催中のU-18のW杯に選ばれている日本代表メンバーではなく、今夏の甲子園でベスト16へ進んだ智弁学園のトップバッターとして活躍した大型外野手の松本だ。
 奈良県出身の松本は1m81、90キロの体格でパンチ力があり、2回戦の徳島商戦では、ドラフト候補として注目されていた右腕、森煌誠のストレートを捉えてバックスクリーンに特大の一発を放り込んだ。高校通算32発。奈良県大会では決勝戦の高田商戦で先頭打者アーチを含む2本塁打を放ち甲子園切符獲得に貢献した。
 加えて広島の西川龍馬のようにボールを柔らかく誘いこむようなタイミングの取り方ができる。バットコントロール、コンタクト能力が高く、今夏は3試合に出場して打率.385の数字を残した。変化球への対応もできて凡打の内容が悪くなかった。出塁率.529も特筆すべき数字だ。甲子園では、ライトを守ったが、遠投100m、50m6秒2の強肩&俊足で守備能力も高い。
 松本の2年先輩が、岡田監督が、その能力にほれ込み今季チャンスを与えている前川。1年春からベンチ入りしていた松本は、当時3年の前川の影響を強く受けていて、その打力は“前川2世”とも称されていた。
 故・野村克也氏が阪神の監督時代にヘッドコーチを務め、ノムさんが退団後も数年間、スカウトとして活動した松井優典氏は、その松本を「智弁学園の先輩である阪神の前川をさらにアスリート化したようなイメージの選手。バッティングに間があり、シャープ。ボールを待つタイミングや、コンタクト技術にセンスを感じる。足、肩もある。将来、チームの外野のレギュラーの一角を奪う可能性のある素材だと思う」と、高く評価していた。
 もちろん阪神も即戦力ではなく将来性を見込んでのリストアップ。
 センターには不動の近本光司がいて、ライトにはルーキーの森下翔太が定着しているが、3年後、4年後のレフトのポジションについては、まだ明確な青写真が描けていない。今季、売り出し中の小野寺暖、前川に加えて、4年目の井上広大、今季が1年目でファームで経験を積んでいる育成ドラフト1位の野口恭佑、ドラフト3位の井坪陽生らが、そのポジションを争うことになるのだろうが、チーム戦略としては、将来、主軸を打つ可能性を持つ高卒の大物外野手をドラフトで補強しておきたいのである。岡田監督も就任した際に「高卒の野手をチームのレギュラーとして育てたい」との“使命”を口にしていた。

 

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