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大晦日に世界前哨戦を戦う比嘉大吾(左)と中止になった試合が再度組まれた堤駿斗(写真・山口裕朗)
大晦日に世界前哨戦を戦う比嘉大吾(左)と中止になった試合が再度組まれた堤駿斗(写真・山口裕朗)

なぜ伝統の大晦日ボクシングの“火”は消えなかったのか…TBSが放送断念もWBA王者井岡一翔の世界戦と比嘉大吾、堤駿斗の世界を狙う2人のアンダーカード

 現在、バンタム級にはケガで11月15日に予定していた防衛戦が延期となったWBA王者の井上拓真(大橋)らがいるが、比嘉は「チャレンジできるのであれば正直、誰でもいい。チャンスがある方でやりたい。4個あるうちのどっかで。連絡待ちですね。早いところでやりたい」と言う。
 WBO王者のジェイソン・マロニーには、現WBO世界スーパーフライ級王者の中谷潤人(M.T)が階級を上げて挑む可能性があり、引退騒ぎを起こしたIBF王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に対しては西田凌佑(六島)が指名挑戦権を持っているため、現実的にはWBC王者のアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)がターゲットとなりそうだ。
 もう一人のフェザー級のホープ、現東洋太平洋王者の堤は、当初10月13日に予定されていたルイスとの再マッチメイクとなった。そのプロ4戦目はインフルエンザに罹患したことで前日計量の日に突如キャンセルとなっていた。
「自分の体調管理で多くの関係者の方々に迷惑をかけた。ルイスは2日前に来日していたのに申し訳ないことをした。よくない流れを来年に持ち込みたくないと思い、出場をお願いした。来年は世界ランカーと戦いたいし、世界を狙える位置まで成長したい。世界を見据えた今の自分の実力をはかる試合になると思う」
 計量の前日に突然、40.3度の高熱に襲われた。「重力を感じて立てないほど」の重病だったが、計量当日の朝に熱が収まれば、そこから水抜きをして試合に出るつもりでいたが、朝起きても40度の熱が下がらず試合を断念、そのまま病院に入院した。コロナではなくインフルだったが、4、5日入院が続くほどの状況で、自分がメインの興行に穴をあけてしまった責任を感じ「1週間くらい精神を病んで家を出れなかった」という。
 だが、11月にはジムでの本格練習を再開できるようになり、「迷惑をかけた人々に恩返ししなければならないし、数か月だけど、狂ってしまった計画の遅れを取り戻したい」との思いでジムに大晦日興行への出場を直訴した。ルイスは11戦無敗で9KOの高いKO率を秘めた難敵。それでも堤は「チャンスがあればKOもという待ちのボクシングではなく、今回は自分から先に仕掛けて倒しにいく」と断言した。
 すでにWBCの11位に入っていて、今回の試合の結果次第では、世界を狙える位置にアップするが、まだ来年は力を蓄える時間にしたいという。
「ボクシング人生の最大の目標」である井上尚弥は、この12月に4団体統一に成功すると、来年は、スーパーバンタム級でビッグマッチを消化し、再来年にはフェザー級に転向する可能性がある。堤は、そのタイミングで世界の舞台でモンスターとのビッグマッチが実現することを夢見ている。
 12月26日には、世界が注目のWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)とWBAスーパー&IBF同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)の4団体統一戦が有明アリーナで行われる。ボクシング熱が一気に盛り上がる年末となりそうだ。
 (文責・RONSPO編集部)

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