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花巻東の佐々木麟太郎はプロ志望届を出さずに米国留学を決断(写真・日刊スポーツ/アフロ)
花巻東の佐々木麟太郎はプロ志望届を出さずに米国留学を決断(写真・日刊スポーツ/アフロ)

甲子園ノーアーチで終わった佐々木麟太郎はプロか大学かどちらを選択すべきか…「今の打法では故障の危険性がある」の指摘も

 真夏の甲子園で開催されている第105回全国高校野球選手権がいよいよ大詰めを迎え、今日21日に準決勝2試合が行われるが、プロ注目の花巻東の超大型スラッガー佐々木麟太郎は準々決勝で仙台育英に敗れて姿を消した。大会ノーアーチに終わり、今後の進路については白紙。ケガに泣かされてきたが、「あの打ち方ではまた故障する危険性がある」という指摘もある。プロ入りか、大学進学か。どちらを選択することが、高校通算140発男の将来の成功につながるのか。

 仙台育英の151キロ右腕との対決に完敗

 

 甲子園で新たな伝説を作れずに佐々木の夏が終わった。
 打率5割で迎えた仙台育英との19日の準々決勝。大会最速151キロをマークしていたプロ注目の本格右腕、湯田統真との対戦となった。第1打席は8球粘ったが徹底してストレートで押し込まれてピッチャーゴロ。第2打席は、一転、変化球で揺さぶられてチェンジアップに空振りの三振。第3打席は、四球で歩いたが、第5打席は、4番手の田中優飛の外角ストレートに手が出ずに三球三振。0-9で迎えた9回には、チームが意地の反撃を見せて4点を返し、なお二死一、二塁で佐々木に打席が回ってきた。セカンドの右を襲うゴロを放ったが、ダイビングキャッチされ、113キロの巨体でヘッドスライディングを敢行したが、間一髪アウト。最後の打者となった佐々木は、あふれる涙を隠さなかった。結局、140発男は、大会ノーアーチのまま甲子園を去ることになった。
 佐々木は、今後の進路について「まだまったく何も考えられない。岩手に戻ってからゆっくり考えたい」と白紙の状態であることを明かした。
 一方で「今後に向けての先は決まっていないが、野球で卓越できるようにレベルの高いプレーヤーになれるように頑張っていきたい」とも語り、いずれにしろプロを目指す考えであることは明らかにした。
 即プロか、それとも大学進学か。
 関係者の話によると、父で監督でもある佐々木洋氏の意見が今後の進路を定めるにあたって重要なポジションを占めているという。
 まだ未完成であることを準々決勝の戦いで露呈してしまった佐々木が将来プロの世界で大きく化けるためには、どちらがベストなのか。
 元ヤクルトの編成部長で、阪神ではスカウトも務め、コーチとしてはヤクルト、阪神、楽天でユニホームを着て“名将”故・野村克也氏を“参謀”として支えてきたことで知られる松井優典氏は「即プロ入り」を薦める。
「準々決勝では、ドラフトの上位で消えそうな一線級の湯田に手玉に取られた。140キロ後半のストレートで押し込まれ、抜いたボールで簡単にタイミングを狂わされた。今大会では逆方向への打球が多く、ポイントを近くにしていたはずが、まったく変化球に対応できていなかった。プロ並みのフィジカルを持ちながら、それを生かしきれていない。メジャー流のバレル(フライボール)打法を取り入れているように見えるが上体だけに頼ったスイングになっている。故障が多く、今大会前から背中を痛めていたそうだが、ケガに苦しむのは、体重もさることながら、体全体をバランスよく使えていない、あの打ち方にも原因があると思う。技術的に大きく修正しなければ、プロでは通用しないし故障のリスクも消し去ることができない。そのためにも、今後、どういう指導者と巡り合うかが重要。球団にもよるが、プロへ進んだ方が技術的な成長に期待ができると思う」

 

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