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松本圭佑(右)の右のカウンターが面白いようにヒットしたが…最後に落とし穴が(写真・山口裕朗)
松本圭佑(右)の右のカウンターが面白いようにヒットしたが…最後に落とし穴が(写真・山口裕朗)

「近いうちに正式発表が…」プロボクシング界の“ミラモン”松本圭佑が日本王座を“冷や汗”V2

「右が当たるよ」
 リングサイドからスーパーバンタム級の世界4団体統一王者である井上尚弥からのアドバイスがハッキリと聞こえた。父が「聞こえたか?」と、復唱。
「当てにいくんじゃなく、ショートで打って流すな、という意味で尚弥さんが言ってくれたと思う。心強かった」
 一方で見せ場を作った敗者の前田も実力差があったことを素直に認めた。
「2ラウンドから横着して入ったところにタイミングを合わされ出してリズムが狂った。距離感が合わなかった。右は、ふわっと下がり油断しているときにもらった。細かい技術の差が敗因。僕は一発を狙う展開となり、相手に手数を出されて崩された。チャンプになる選手となれない選手の差が出た。悔しい」
 左目の腫れがひどくなり、徐々に右のパンチが見えなくなっていたという。

 昨秋から劇的にボクシングと向き合う環境が変わり責任感が生まれた。
「近いうちに正式発表するので」と、松本自身に懇願されたので、詳しい話は、彼からのSNSでの報告があるまで書かないが、その環境の変化により、課題である10キロを超える減量やコンディション調整にプラスの効果が生まれた。当日の体重は、8キロ戻しだったが、通常体重を徐々に減らしていたため、顔にむくみもなく、前田のスピードに対抗する体のキレをキープすることができたという。
 この試合は、目標とする世界挑戦をより鮮明にするための試金石と位置づけていた。だが、思わぬ最終ラウンドの失態があったため、リング上で松本は「とても世界などと言えない」と、世界の2文字を封印した。
「チャンスがくるなら可能性はゼロでもない。自信もあるし、話がくればつかみとりたい。世界王者になるという夢に向かって強くなる練習をしていかなくちゃいけない」
 アマチュア時代からのライバルである堤駿斗(志成)はすでにOPBF東洋太平洋同級王座を返上し、4月17日に後楽園ホールで元WBA世界バンタム級スーパー王者で、現WBA世界フェザー級9位のアンセルモ・モレノ(パナマ)と“世界前哨戦”を戦うことが発表されている。松本も負けてはいられない。世界挑戦が難しい階級ではあるが、2024年は“ミライモンスター”にとって、その“未来”を占う重要な1年となりそうだ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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