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カブスの今永は8回に逆転2ランを許すも2失点好投で“不敗神話”は続く(写真・AP/アフロ)
カブスの今永は8回に逆転2ランを許すも2失点好投で“不敗神話”は続く(写真・AP/アフロ)

「ショウタの投球は必見のショーだ!」逆転2ラン浴びるも“不敗神話”続くカブス今永昇太に賞賛の声が止まない理由とは…防御率1.08は全米トップ

  カブスの今永昇太(30)が7日(日本時間8日)、本拠地リグレーフィールドでのパドレス戦に先発、7回まで無失点に抑えて勝利権利を持ったままメジャー最長となる8回のマウンドに上がったが、ジュリクソン・プロファーに逆転2ランを浴びて102球で降板した。ただチームが同点に追いつき、サヨナラ勝利したため今永の負けが消えデビューから7試合に登板しチームは全勝という球団初の偉業を達成した。防御率は1.08で両リーグトップをキープしている。

 6回のピンチにマチャドとボガーツを連続三振

 

 痛恨の1球だった。
 1-0で迎えた8回無死一塁。トップバッターのプロファーにカウント2-2から投じた外角低めへ落としたスプリットを左中間へうまく運ばれた。この打席、全球スプリットだったため反応されたのかもしれない。打球を行方を見守った今永は、逆転2ランが最前列に飛び込んだのを確認すると、何やら声を出し、ぴょんと飛び上がり、腰に手を当てたままマウンド上呆然となった。
 スポーツメディア「ジ・アスレチック」によると、カブスのクレイグ・カウンセル監督は、「あれはいい球だったと思う。プロファーがとても良いスイングをした。帽子を取って讃えよう。不運だったことは確かだが、今永は素晴らしい登板を台無しにすることはなかった」と今永をかばった。
 同メディアは「このスプリッターは今永にとって破壊的な武器となっていた。彼はスプリッターを38球投げ、24スイングで15度の空振りか、ミスを奪っていた(空振りは全部で20度)。この1つの過ちは、ほぼ全員が今永にとってミスではなかったと賛同できるもので(負けたとしても)カブスが敗戦を受け止められるだけのものだった。今永は高く評価されるべきだ」と記した。
 16イニング続いていた無失点はストップしたが不敗神話は止まらなかった。8回無死一、三塁でクリストファー・モレルがパドレスの4番手として登板した松井裕樹からセンターへの犠飛を決めて同点にして、今永の負けを消し、9回にこの回先頭のマイケル・ブッシュがライトスタンドへサヨナラ本塁打を放り込んだ。
 ミスをしたのは、プロファーに投じた1球だけ。7回までは無失点。圧巻だったのは、今永自身が「ターニングポイントだった」と振り返った1-0で迎えた6回だ。
 一死から連打を浴び、一、二塁のピンチを背負ったが、通算300本塁打をマークしているマニー・マチャド、ザンダー・ボガーツを連続三振。今永はマウンド上で体を反転させてガッツポーズを作り吠えた。スタジアムの大観衆は総立ちとなり歓声と拍手を送った。 
 MLB公式サイトも、このシーンに注目。
「今永はマチャドに対してカウント1-2から内角の速球で空振りを奪った。今永はマウンドで跳び跳ねグラブを叩いて祝った。続くボガーツに対して2-2となったところでリグリーフィールドの熱狂的なファンたちは席を立ち歓声の音量を上げていった。今永はバットの下に消えて落ちる代名詞のスプリッターで三振奪い、古き球場の中が祝福で爆発した」と描写した。
 同サイトによると捕手のミゲル・アマヤは、「あのイニングを乗り越えたのは特別な瞬間だった。私も燃え上がった。彼は時々あのように気持ちをあらわにする。選手全員が感情を持ち、彼もその興奮を示してくれた」と、今永の闘志を絶賛したという。
 今永が打たれてもファンやチームメイトからの賞賛が止まないのは、このマウンド上でのファイトする姿勢なのだろう。

 

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