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すべてが発覚する前の韓国の開幕シリーズでの大谷と水原容疑者(写真・AP/アフロ)
すべてが発覚する前の韓国の開幕シリーズでの大谷と水原容疑者(写真・AP/アフロ)

深まる謎!発言撤回の水原一平元通訳はESPNに「嘘をついた」と明かしたが「大谷翔平の銀行口座から勝手にお金を引き出したのか?」という質問には何も答えなかった

 ドジャースの大谷翔平(29)の元専属通訳である水原一平氏(39)が違法賭博の借金を返済するために大谷の銀行口座から窃盗を働いたという疑惑でチームを解雇された問題で新たな情報が明らかになった。スポーツ専門局「ESPN」がその取材の裏舞台を報じたもの。水原氏は、当初「大谷に借金の肩代わりをしてもらい、2人で一緒に大谷のパソコンから8、9回の送金した」と語っていたが、1日で「大谷は何も知らなかった」と発言を撤回して180度違う証言に変えた。ESPNは、再度、水原氏をインタビューしており、その際の詳細なやりとりを暴露した。

「何度か多額の支払いをした。それが私が払える最高額」

 全米に衝撃を与えた“一平スキャンダル”の最大の謎は、水原氏と大谷の代理人事務所の広報担当が、発言をたった1日で撤回、180度変えたことだ。今回の問題でスクープを連発し、19日に水原氏を90分間にわたって電話インタビューしたESPNのティシャ・トンプソン記者が、ここまでの時系列を整理して取材裏話を明かす記事の中で詳細なやりとりを伝えた。
 ESPNは、違法賭博のブックメーカーを運用していたボウヤー氏を捜査している当局が、大谷からの多額の送金があることを確認したという情報をつかみ、トンプソン記者が、大谷の代理人に連絡をとった。大谷の広報担当は「大谷が水原氏の借金を肩代わりして支払った」と説明。大谷は代理人のバレロ氏に水原氏の借金を50万ドル(約7500万円)単位で返済したと伝えた。広報担当によれば大谷は「何度か多額の支払いをした。それが私が送れる最大額」と語ったという。バレロ氏と大谷の連絡は、水原氏を通じて行っていたかどうかも明らかになっていなかった。
 トンプソン記者は、韓国での開幕戦前日の午前中に、その大谷の広報担当の手引きで水原氏を90分間にわたって電話でインタビュー。水原氏は、2021年に知り合った違法ブックメーカーのボウヤー氏を通じて、野球以外のスポーツ賭博に手を染め、当時、所属していたエンゼルスでの年俸は約8万5000ドル(約1280万円)だったにもかかわらず、2022年の末までに100万ドル(約1億5100万円)以上を失い、友人や家族からお金を借り「大谷には言えなかった」ことを明かした。
 借金は2023年のはじめには400万ドル(約6億円)にまで膨らみ(ESPNの調べでは450万ドル)、取り立てなどに身の危険を感じたため、大谷に借金の肩代わりを申し入れた。2人は大谷氏のパソコンで大谷氏の銀行口座にログインし、数カ月にわたって8、9回、それぞれ50万ドル(約7500万円)の取引を行い、説明書きの欄に「ローン(貸付)」と書き、最終的な支払いは2023年の10月に行われたという。
 だが、インタビューをした翌日の韓国での開幕戦の試合後に水原氏がクラブハウスで「私はギャンブル依存症です。すべては私の責任です」と懺悔のスピーチを行い、その後、大谷の広報担当が、ESPNに対して「一平は嘘をついていた」「翔平は何も知らなかった」と水原氏のインタビュー内容を全否定して撤回。「記事を公表しないように」と伝えてきたという。その後、大谷の弁護士事務所が「最近のメディアの問い合わせに対応する過程で、翔平氏が大規模な窃盗の被害にあっていることが判明し、当局に問題を引き渡している」との声明を発表。ドジャースも水原氏の解雇を認めた。

 

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