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すべてが発覚する前の韓国の開幕シリーズでの大谷と水原容疑者(写真・AP/アフロ)
すべてが発覚する前の韓国の開幕シリーズでの大谷と水原容疑者(写真・AP/アフロ)

「大谷は自分の口座からお金がなくなっていたことをソウルでの開幕戦後に初めて知った」大谷翔平の広報担当がESPNに明かしていた水原元通訳の懺悔後の狼狽

 ドジャースの大谷翔平(29)の元専属通訳である水原一平氏(39)が違法賭博の借金を返済するために大谷の口座から窃盗を働いたという疑惑でチームを解雇された問題で、新たな情報が明らかになった。スポーツ専門局「ESPN」がその取材の裏舞台を報じたもの。ドジャースからの解雇を通知されていた水原氏は、20日の韓国でのパドレスとの開幕戦後に全選手に懺悔して別れを告げたが、代理人事務所の広報担当の説明によると、やはり大谷はそこで初めて今回の問題を知り、お金が自分の銀行口座から消えたことを知ったというのだ。撤回された水原氏の当初の発言とは、まったく異なるリアクションだが果たして真相は…。

 大谷は何もしらなかった

 “一平スキャンダル”の報道で水原氏を19日に90分間にわたって電話インタビューするなど、独占先行しているESPNのティシャ・トンプソン記者が、ここまでの問題を時系列で整理して取材裏話を明かした記事の中で「大谷は何も知らなかった」という詳細な内容を伝えた。
 ESPNによると、ドジャースは20日に韓国で行われたパドレスとの開幕戦の試合後にクラブハウスで緊急ミーティングを開き、チームオーナーであるマーク・ウォルター氏が選手たちに「ネガティブな話が来ていること」を告げた。つまり水原氏の違法賭博への借金とチームからの解雇の話だ。水原氏は「私はギャンブル依存症です。すべての責任は私にある」と謝罪、告白した。
 ドジャース編成本部長のアンドリュー・フリードマン氏は立ち上がり「大谷氏が水原氏の借金を補填した」と補足説明をしたという。
 大谷の代理人事務所の広報担当によると、大谷はミーティング後にホテルへ戻る途中で「クラブハウスでの話はどんな内容だったのか」と(新しい通訳に)質問をはじめ「水原通訳が話した問題を何も知らない」と言ったという。
 ESPNが取材したドジャース関係者と大谷の広報担当の話では、大谷の代理人が、この水原氏の問題に対処している間、大谷氏とのコミュニケーションを水原氏に任していて、水原氏は、大谷氏に事情を伝えていなかったという。
 そして大谷の広報担当は、「大谷は、この時初めて自分の銀行口座からお金がなくなっていたことを知った」と明かしたというのだ。
 大谷は日ハム時代から銀行口座のお金にほとんど手をつけなかったことで知られる。無駄な浪費はせず、お金に対しては無頓着だっただけに、口座の確認をしていなかったという可能性はある。

 今回の問題が発覚した発端は違法賭博のブックメーカーを運用していたボウヤー氏を捜査している当局が、大谷からの多額の送金があるという事実をつかんだこと。その情報をキャッチしたトンプソン記者は大谷の代理人に確認をとった。広報担当は「大谷が水原氏の借金を肩代わりして支払った」と述べた。代理人のバレロ氏が、水原氏に確認を取ったところ、「ようやく白状して、それが真実だと言った」とし、大谷は、水原氏の借金を50万ドル(約7500万円)単位で返済したとバレロ氏に伝えた。広報担当によれば大谷は「何度か多額の支払いをした。それが私が送れる最大額」と語ったというのだ。
 バレロ氏と大谷の連絡は、水原氏を通じて行っていたかどうかも明らかになっていなかった。トンプソン記者は、韓国での開幕戦前日の午前中に、その大谷の広報担当の手引きで水原氏を90分間にわたって電話でインタビュー。大谷の広報担当もその取材を共有していた。

 

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