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辰吉寿以輝が5月18日に大阪でタイの強豪と近い将来のタイトル戦を見据えてテストマッチ(写真・山口裕朗)
辰吉寿以輝が5月18日に大阪でタイの強豪と近い将来のタイトル戦を見据えてテストマッチ(写真・山口裕朗)

辰吉寿以輝が5.18大阪で意味深な“サウスポーテスト”…那須川天心戦は不可能だが偉大な父の背中を追う世界戦はいつ実現するのか?

 ただ辰吉家には「サウスポーが苦手」との遺伝子が流れている。父の丈一郎は、変則サウスポーであるWBC世界スーパーバンタム級王者のダニエル・サラゴサ(メキシコ)と2度対戦したが、2度とも苦手意識を克服できずに敗れている。寿以輝も、これが、キャリア2試合目のサウスポーとの対戦で前回の今村和寛(本田フィットネス)との対戦はバッティングによるカットで負傷引き分けとなっている。
「なんやかんや親父と(スタイルが)似ている。もらわんでええパンチをもらうとこまで」
 だが、父は「サウスポーが苦手や」と口にしたことがない。
「自称、サウスポーは苦手じゃないと、自信満々に言う。サウスポーはワシ好きやと。戦績を見る限りそうやないけど(笑)」
 その父は、寿以輝から次戦に戦うのがサウスポーであるとの報告を受けると、こうアドバイスを送ったという。
「(父は)“ザ・昭和”の人間なんで。とにかく左回りやと」
 相手の後ろ手となる左との距離を遠くにするため、サウスポーには左回りのステップが基本。しかも、左ジャブを多用するのが、基本の攻略法だ。寿以輝は、父から授かったアドバイスをベースに「サウスポーが苦手」の悪しき遺伝子を断ち切るつもりだ。
「僕は父より臨機応変なんで」
 また相手がタイ人であることにも辰吉家には因縁がある。
 父が劇的なWBC世界バンタム級王者に返り咲きを果たした相手もシリモンコン・ナコントンパークビューというタイ人。2度敗れ、一度目の引退の引導を渡されたのも、タイのウィラポン・ナカンルアンプロモーションで、日本でJBCのライセンスが下りなくなってからは、タイに渡ってタイ人と試合をした。
「シリモンコンでもセコンドにつけばタイとの因縁なんでしょうけどね。タイ人はボディが弱いイメージがあるので、ボディで倒します」
 5月18日は父の54歳の誕生日の3日後。
「勝利をプレゼントして喜ばれますかね?ケーキの方がええかも」
 寿以輝は、与那覇戦に痛めた右の拳も治り、今月に入って本格的なスパーリングにも入った。すでに20ラウンドほど消化している。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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