
「フェザー級が限界」井上尚弥が米「リング誌」に史上3人目の6階級制覇は目指さない考えを明かす…「身長が1m70なら話は違ってくるが…」
フィジカルを前面に押し出して打ち終わりを狙うカウンター戦術を徹底してきたカルデナスに2回にまさかのキャリア2度目のダウンも喫している。井上がその戦術がわかった上で超攻撃的なボクシングを仕掛けたがゆえに起きたアクシデント。フェザー級、スーパーフェザー級と階級が上がっても、井上がそのファイティングスタイルを変えないのであれば、さらに相手のフィジカルが強くなり危険度は増す。
父の真吾トレーナーもその考えを支持した。
「尚がどう感じているかが一番重要なことですが、私もスーパーバンタム級が適正だと思うんです。ポイントアウトするボクシングをすれば、フェザー級のもう一つ上のス―パーフェザー級に上げても負けることはないでしょう。でもそれが尚が求めるボクシングなのか?ということなんです」
リング誌は、WBA世界ファザー級王者のボールと、米ラスベガスの井上のセミファイナルで7回TKOで防衛に成功してリング上で「井上との対戦が目標」と宣戦布告していたWBO世界同級王者のラファエル・エスピノサ(メキシコ)が「井上のフェザー級での対戦リストのトップにあるようだ」と報じている。
また同誌は、WBA世界ライト級王者のガーボンタ・デービス(米国)やWBC世界同級王者のシャクール・スティーブンソン(米国)の名前を出して「これらの対決を夢見ているファンや井上のスーパーフェザー級への挑戦を楽しみにしているファンはがっかりする覚悟をして下さい」とも記したが、それこそ無茶なマッチメイクだろう。
さらに「まだフェザー級に挑戦したことがないから、それ以上上に行くことは考えられない」という井上のコメントと共に「井上は戦士で自分を限界まで追い込みたいと考えている。彼がフェザー級が快適と感じて、そこに自信を持てば考えを変えるかもしれない」と、6階級制覇への可能性に含みを持たせた。
井上はアフマダリエフ、ボールの撃破に成功すれば、来年5月に東京ドームでもう一度階級をスーパーバンタム級に戻してWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)とのスーパーマッチが計画されている。
次々と不可能を可能にしてきたモンスターだけに、この先、どうなるかわからないが、32歳という年齢を考えても、「フェザー級が限界」と明言した井上の考え方は間違っていないだろう。