
井上尚弥と真吾トレーナーの“緊急会議”が米ラスベガスでの試合後に開かれていた…そこで話された衝撃の内容とは?
正式発表はまだだが、次戦は9月14日に名古屋の「IGアリーナ」でWBA世界暫定同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を迎え討つことが決まっている。アフマダリエフは、リオ五輪の銅メダリストで14戦13勝(10KO)1敗の戦績を持つ元WBA&IBF王者。井上に対して「なぜ逃げる?」「オレが奴を倒すことを証明する」などと挑発を続けてきた。そのアフマダリエフのトレーナーが、今回カルデナスに作戦を授けた同じディアス氏なのだ。
アフマダリエフは、カルデナスとは異なるウスポーだが、フィジカルが強く、一発のカウンターにキレのあるタイプなので、カルデナスと同じ戦法を使ってくる可能性が十分に考えられる。
真吾トレーナーもそれは想定している。
「(距離を)入りすぎないで、中間でやりくりして、たまに振らせてカウンターを取るとか、いろいろと考えないとダメかもしれない。尚の場合、相手がガードを固めて亀になると、どんどんいっちゃいますからね。向こうの作戦で、打ち合いになると、相手の土俵に引きずりこまれることになる」
そして真吾トレーナーが、その準備のひとつとして考えているのが、大橋ジムの英知を結集させるというプランだ。
「みんなで(アフマダリエフの映像を)見ながら研究しようと。尚とも話をしたんです。今までしたことがないんですが、『これからは、そういうのも大事だよね』と。そういう研究をしていきますよ」
これまでは、主に井上と真吾トレーナーの2人で大まかな作戦を立ててきた。だが、アフマダリエフ戦に向けては、大橋会長をはじめ、ミットを受ける太田光亮トレーナー、名カットマンでバンテージ担当の佐久間史朗トレーナーの従来の「チーム井上」のメンバーに他のトレーナー陣も加えて、“オール大橋”での対策会議を取り入れたいというのだ。今回の米ラスベガス遠征には、現役時代に世界戦経験のある松本好二トレーナー、元3階級制覇王者の八重樫東トレーナー、ロンドン五輪日本代表の鈴木康弘トレーナー、北野良トレーナーも合流していた。真吾トレーナーのそのアイデアは、今回の戦いに陣営が危機感を抱いている裏返しでもあり、さらにモンスターの成長を加速させるために必要不可欠なことかもしれない。
そしてそのアフマダリエフ戦の次には12月にサウジアラビアでの1階級上のWBA世界フェザー級王者、ニック・ボール(英国)への挑戦計画がある。昨年、3年30億円の大型契約を結んだ「リヤドシーズン」の主催マッチだ。さらに来年5月には東京ドームでのWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(M.T)とのスーパーマッチが控えている。
真吾トレーナーはモンスターの未来についてどう考えているのだろうか。
(次回に続く)
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)