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世界前哨戦を前に天心が武居由樹とのビッグマッチ、そして井上尚弥対中谷潤人のスーパーマッチについて言及した(写真・山口裕朗)
世界前哨戦を前に天心が武居由樹とのビッグマッチ、そして井上尚弥対中谷潤人のスーパーマッチについて言及した(写真・山口裕朗)

SNSで物議!「どっちが勝とうが負けようが正直まだ関係ない」那須川天心が「井上尚弥対中谷潤人」について多くを語らなかった真意…武居由樹とのビッグマッチにも言及

 プロボクシングのバンタム級のWBC1位、WBA、WBO2位、IBF4位の那須川天心(26、帝拳)が30日、都内の帝拳ジムで6月8日(有明コロシアム)に控えるWBA同級6位のビクトル・サンティリャン(29、ドミニカ共和国)との世界前哨戦に向けての公開スパーリングを行った。インファイトの急激な進歩をアピール。28日に衝撃の127秒TKO勝利を収めたWBO世界バンタム級王者、武居由樹(28、大橋)とのビッグマッチ、そして来年5月に東京ドームで計画されているスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)とWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(27、M.T)のスーパーマッチへの素直な思いを明かし、それらの発言を巡ってSNSやネットで物議を醸した。

 「武居は勝っていくと必ずやる相手。時が来れば必ずやる」

 天心恒例のガチスパー。
「人が感動する試合をするには感動する練習をしないといけない 手を抜かずにすべてやりきる。それが公開練習のモットー」
 昭和の時代には世界戦前の公開スパーはこれが当たり前だった。怪我のリスクを回避し、疲労への配慮などもありいつのまにか写真撮影用にだけ見せるセレモニーで終わるように変わってきたが、天心は、シャドー2回、スパー2回、ミット打ち4回、ドラムミット1回。シャドー1回の計10回を全力で報道陣に披露した。
 スパー相手は19戦16勝(10KO)3敗で、元WBO北米、IBOのスーパーバンタム級王者のエリック・ロブレス・アヤラ(25、メキシコ)。過去に2度、井上尚弥のスパー相手を務めてきた。現在の体重は64キロで、この日、58キロの天心よりも階級からすると2つ上だが、2回のスパーでは終始圧倒した。
 見守った本田明彦会長が、「最近では一番悪かった。疲労ピークだからね。今回作り上げたボクシングはこんなもんじゃない。特に近い距離でボクシングができるようになった」と明かす。疲労はピークらしいがそれを感じさせなかった。
 目を引いたのはそのインファイトだ。距離をつめると、左右のボディ、ショートブローを連打でまとめて見せた。ここまで週に3度のペースで5週間拳を交えてきたアヤラも「最初の頃は1、2発打てば、そこで動いていたが、今では6、7発続けて打つようになった」と、そのインファイトの成長度を認めた。
「パンチ力はある。顎の先端や腹の一番効く打つべき場所に打ち込んでくる。体重はこっちが重いのにかなり効かされた」とも証言した。
 天心は「今日は無理やり中に入って見せた。10ラウンドの戦いでこれをやるのがテーマ」という。
「ただのチャンピオンを目指しているわけじゃない。カウンター、長距離、中間距離で効かすことはできる。モロニー戦でも一発アッパーやストレートを効かすことができたがそこからなんですよ。効かした後にどう前に出るか」
 判定勝利した2月の元WBO世界バンタム級王者、ジェイソン・モロニー(豪州)戦では、激しい打ち合いにも応じた。目の上をカットしながらも、逃げずに闘志を見せた姿が評価されたが、実はそのラウンドの採点はモロニーに流れていた。そしてフィニッシュにまで持っていけなかった。その反省を元に磨いた部分だ。
 世界前哨戦の相手のサンティリャンは15戦14勝(5KO)1敗のキャリアを持つ世界ランカー。唯一の1敗は、すでに引退して井岡ジムを受け継いでいる石田匠との2年前のWBA世界同級挑戦者決定戦で1-2の僅差の負け。互いにほとんど決定打も見せ場もなかった、いわゆる“塩試合”で天心が負ける要素は見当たらない。ただしなやな柔軟さとスピードがあり逃げ切るうまさがある。新境地を開いたインファイトで、どうつかまえ、フィニッシュまで持っていけるか。
 2日前に武居が衝撃の127秒TKO勝利でV2に成功した。モロニー戦と同様に武居との比較論は必ず起きる。しかも7戦目にして初めて武居と同じサウスポーとの対戦がマッチメイクされた。
「もちろん倒したいっていうのはある。それだけがボクシングじゃない、そこ以外で見せるのが僕。早く倒すこともあるだろうが、10ラウンドを通してボクシングの魅力を見せるのも自分のやるべきことでもある。パンチ力どうのと言われているのが、それは自分でもわかっている。だからこそ強みがある。問題なくいける」

 

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