• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 「三浦監督は内野守備の意思疎通を徹底していたのか」横浜DeNAまさかの内野フライ“お見合い”と完封した阪神の才木-坂本バッテリー新配球…両球団に10.5ゲーム差がついた理由とは?

「三浦監督は内野守備の意思疎通を徹底していたのか」横浜DeNAまさかの内野フライ“お見合い”と完封した阪神の才木-坂本バッテリー新配球…両球団に10.5ゲーム差がついた理由とは?

 一方の阪神は対照的に投打で攻略の意思疎通を徹底した。
 1回の先制点も二死から森下が選んだ四球が発端。外角の誘い球に一切手を出さなかった。ケイ攻略法のひとつがイラつかせることだった。来日1年目の昨シーズン序盤はイラつき、制球を乱して自滅するパータンが目立った。だが、横浜DeNAは、チーム付きのメンタルトレーナーの指導などでそのケイの課題を解消。後半はその傾向はほぼ見られず、今季もこの試合まで援護がなく勝ち星こそ5勝5敗と恵まれなかったが、防御率1.63と安定した数字を残していた。
 だが、森下に四球を選ばれ、味方の内野守備陣の信じられない“お見合い”から失点したことで、ケイは明らかにイラついていた。2回には才木に投じた1球がボールと判定されて不服な態度を示した。
 3回には中野がフルカウントから外角高めに投じたストレートを見極め、それがボールと判定されるケイは、「高いのか?」と手でジェスチャーを示して怒りの表情を浮かべた。続く森下の打席では、阪神ベンチは中野に何度もスタートを切らせてさらにケイの集中力を緩慢にさせた。森下はファウルで粘り四球を選んだ。一死一、二塁から佐藤は併殺打に倒れたが、これらの意図を持った阪神打線の粘りがケイに対してボディブローのように効いていく。
 6回に「強いスイングで積極的に仕掛けることを意識して打席に入った」という佐藤が、山本がインコースに構えたミットよりボールひとつ真ん中へきた初球のツーシームを捉えて26号ソロ。甲子園の浜風を切り裂く弾丸ライナーでレフトスタンドへ放り込んだ。この微妙なコントロールミスも、阪神打線が続けたボディブローの成果だったのかもしれない。
 守っては才木が無四球の4安打9三振の完封勝利。
 4安打のうち3安打は桑原で、横浜DeNAベンチはそのうち2度を2番に起用した林にバントで送らせた。しかしクリーンナップに1本が出なかった。横浜DeNAはこれで対阪神に3度目の0封負けである。
 藤川監督は「ピッチングフォームの修正というかメカニックが改善された」ことを才木の無四球116球の完封劇の要因にあげたが、この試合は、才木の“専属キャッチャー”だった梅野ではなく坂本にマスクをかぶらせていた。
 横浜DeNAはデータ野球である。ここまでの梅野のリードから一変した坂本の配球は横浜DeNA打線を戸惑わせた。
 この試合まで才木のストレートの配球割合は約55%だったが、この日は62%。ストレートで押してくる配球に横浜DeNA打線は面食らった。

 

関連記事一覧