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大ブーイングを浴びたトロントで大谷が7号ソロを放つ(写真:ZUMA Press/アフロ)
大ブーイングを浴びたトロントで大谷が7号ソロを放つ(写真:ZUMA Press/アフロ)

敵地トロントメディアは大ブーイングの中で放った大谷翔平の7号ソロをどう報じたか…「大谷が投下した爆弾がブルージェイズにとってショッキングなほど恥ずかしい夜のきっかけとなった」

 ドジャースの大谷翔平(29)が26日(日本時間27日)、敵地のトロントでのブルージェイズ戦に「2番・DH」で先発出場し、大ブーイングの中、1回一死走者無しで迎えた第1打席に7号ソロを放った。昨年12月のFA交渉の際には「トロント行きの飛行機に乗った」などの怪情報が流れた因縁のチームゆえのブーイング・それでも集中力を切らさなかった大谷の一発が打線に火をつけチームは12-2で圧勝し5連勝。敵地のメディアも「大谷が投下した爆弾がブルージェイズにとってショッキングなほど恥ずかしい夜のきっかけとなった」とふられた恋人に脱帽だった。

「大谷はブルージェイズに欠けているもののだった」

 

 ドジャースのユニホームを着て打席に立った大谷に3万9688人の大ブーイングが浴びせかけられた。トロントの地元テレビ局「スポーツネット」によると「近年で最も大きなブーイングだった」という。
 それは予想された洗礼だった。昨年12月。FA交渉が大詰めを迎えていた際に「トロント入り決定」の怪情報が流れ、敏腕記者で知られるジョン・モロシ記者が「トロント行きの飛行機に乗った」とXに誤報を投稿。カリフォルニアからトロント行きのプライベートジェット機があったため、ファンが、そのフライトを追跡するサイトに殺到するという異常事態が発生した。ブルージェイズに所属している花巻東高の先輩、菊池雄星がトロントの寿司屋を貸し切り、50人前の寿司を予約したとのデマまで流れた。しかし翌日に大谷はインスタでドジャースと10年7億ドル(約1085億円)で契約を結んだことを発表。ブルージェイズのファンを失望させた。そういう経緯があっただけにドジャース移籍後、初めてトロントにやってくる大谷への大ブーイング歓迎は十分に予想されたのである。だが、そんな異様な雰囲気を大谷がひと振りで切り裂いた。
 クリス・バシットが3球目に投じたインコースに入ってくるスライダー。大谷がすくい上げた打球はライトスタンドの前に設置されているゾーンに落下。先制の7号ソロにスタジアムはざわめきと共に静まり返った。大谷の一打がドジャース打線に火をつけて12得点の大爆発。大谷は4打数1安打1四球1安打だった。一方のブルージェイズは、ふられた恋人に手痛いしっぺ返しを食らうことになってしまった。
 その地元メディアは大谷の7号をどう伝えたか。
 カナダのスポーツテレビ局「スポーツネット」は「スランプに悩むブルージェイズにドジャースが楽勝する中で大谷が本塁打」との見出しを取り、「ブルージェイズと大谷にとって進むことのなかった道では、もしかしたらこうだったかもしれないと、お互いを納得させる夜だった。成就することのなかった冬の一件(大谷のブルージェイズ入団)以来、初めての両者の遭遇は、ここで今何が起きているかを示すものだった」と書き出した。
 同局は「大谷が初回に放った本塁打は大きなブーイングを振り払うもので、3回には四球でつなぎ、その回、ドジャースは6得点し、12-2で大勝し5連勝となった」と紹介。
「一方でブルージェイズにとっては、休眠中の打線の頂点に立つウラジミール・ゲレーロJr.とボー・ビシェットのスランプコンビへの懸念が深まるものだった」として、大谷との一打と、4連敗でついに借金生活に突入し東地区ブルージェイズの最下位にあるチームの対照的な状況を伝えた。
 ブルージェイズ打線は、チーム打率.229と低迷。2年前に大谷と本塁打タイトルを争ったゲレーロJr.も、打率.206、3本塁打と苦しんでおり、この日も4タコだった。 
 同局は「大谷はブルージェイズが打線で欠いているもの、そのもののようだった」と皮肉を交えて大谷を称えた。

 

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