
83年ぶりに阪神の新背番号「31」伝説の始まりか?!育成出身の早川太貴がプロ初先発初勝利…平均球速143キロで横浜DeNA打線を“錯覚の罠”にはめた“令和のマサカリ投法”
しかも、今年1月には掛布氏が野球殿堂入りを果たしていた。まったく根も葉もないデマだが、「怒った掛布氏がOB会長を辞める話まで流れている」というネット記事まで出た。
選手、2軍監督で2度、背番号「31」を付けた掛布氏の持論は「背番号は球団のもの。もう私の手からは離れた背番号」というもの。
永久欠番でもない「31」を誰に渡そうが球団の勝手だし、いちいち掛布氏に了承をとる必要などない。
だが、12月に予定されている掛布氏の殿堂入りパーティーを球団が取り仕切る予定で、球団創立90周年の行事やイベントなどに背番号「31」をつけた掛布氏を何度も引っ張りだしながら、一切、何の連絡もせず、投手である早川の「31」を決めた球団の“心使いの無さ”には問題はあった。伝統や歴史を軽んじて、レジェンドにリスペクトを示さない球団の姿勢に批判の声があがるのも当然だった。「やっぱり阪神は変わっていない。フロントは野球をわかっていない」とつぶやいたOBもいた。
掛布氏は、ずっと沈黙を守っていたが、さすがにそれらの批判は球団にも届き、問題があると考えたのだろう。結局、球団の最高トップが直々に出向いて一連の“不手際”を掛布氏に説明、謝罪したという。
だが、一方でSNSなどでは、現役時代に藤川監督が田淵幸一氏や現在球団フロントで阪神女子野球チームの監督をしている木戸氏ら、阪神ではキャッチャーの象徴だった「22」のイメージを変えたことに重ねて「早川が新しい31の歴史を作ればいい」という声も少なくなかった。
掛布氏はテスト生同然の経緯でドラフト6位で入団して球界を代表するトップスターまでになった。育成3位の早川のこれからのストーリーを掛布氏も自らに重ねて見守っているのかもしれない。
早川が言う。
「今タイガースの先発で投げている先輩方は凄く良いピッチャーが多いのでそこに割って入っていけるようなピッチャーになりたいと思います」
この1勝が新しい背番号「31」の伝説が始まりになればいい。