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大谷翔平が9点を追う7回に意地の2ランを放つ。自身のWシリーズ初アーチだ(写真:UPI/アフロ)
大谷翔平が9点を追う7回に意地の2ランを放つ。自身のWシリーズ初アーチだ(写真:UPI/アフロ)

大谷翔平に浴びせた「お前なんかいらない」の“屈辱”ファン大合唱にブルージェイズの選手や監督が「熊を挑発するな」「特別な選手にコメントは難しい」と困惑の反応を見せた理由とは?

 6回に大猛攻の先陣を切る、勝ち越しタイムリーを放った7番打者のアーニー・クレメントは、その大合唱について「ちょっと笑ってしまったよ」との感想を口にしたが、彼もまた他の選手たちと同じように、火に油を注ぐようなことはしなかった。
「今いるメンバーで戦っているし、そのメンバーが本当に素晴らしい仕事をしてくれている。今のチームにこれ以上もこれ以下も必要ないと思うよ」
 また米サイト「ドジャーブルー」が伝えた映像によると、第1打席にスプリットで空振りの三振に仕留めたイエサベージも、「自分の目標は、対戦する全員から三振を奪うことだ。試合の最初に良いスタートを切れたのは、自信にもつながった。本当にクールな体験だった」と話すに留めた。
 MLB公式サイトは、「ドジャースはすでに十分強いチームだ。相手を刺激するような“掲示板ネタ”を与える必要はないし、ワールドシリーズでの対戦相手であっても、誰も偉大な大谷翔平を不敬に扱いたくはない。たとえ試合の熱気の中でも」と、それらの選手の反応の真意について解説した。
 同「ドジャーブルー」によると、シュナイダー監督も試合後会見の最後に、この問題について質問され、苦笑いを浮かべた。
「正直、僕は(9回二死で大谷から)“3つ目のアウトを取ること”しか考えてなかったよ。どの球場にもいろんな形の熱狂があるものだ。大谷のような特別な選手についてコメントするのは難しいけど、ファンが自分たちのチームを誇りに思って声援を送ってくれるのは素晴らしいことだと思う。ホームランを打たれたけど、幸いリードがあったからね」
 一方のデーブ・ロバーツ監督は、1本塁打2三振の大谷について「ホームランは良かった。それをきっかけに調子を上げてほしい。ただ、彼は大丈夫だ。(2回の)満塁の場面でも期待していたが、イエサベージが良いスプリットを投げただけ。ショウヘイに問題はない」と語っている。
 また大谷も前日会見でブーイングについて「それを力に変えていければいい」とコメントしていた。
 前出のMLB公式サイトは「大谷はきっと、このシリーズのどこかで再びブルージェイズの前に立ちはだかるだろう。打者としてでなければ、投手として彼らを打ち負かすに違いない」と記した。ブルージェイズナインや監督が、ファンの「お前なんかいらない」のチャントに困惑したのは、まさにそのことへの警戒心。大谷は本拠地に舞台を移した後の第4戦に先発予定となっている。

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