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中日とのゲーム形式の登板でダルビッシュは岡林の右膝にデッドボールをぶつけて表情をゆがめる(写真・日刊スポーツ/アフロ)
中日とのゲーム形式の登板でダルビッシュは岡林の右膝にデッドボールをぶつけて表情をゆがめる(写真・日刊スポーツ/アフロ)

ダルビッシュはWBC本番で“岡林死球ショック”を引きずらないか…SNSで中日とファンに「申し訳ない」と謝罪

 WBCの日本代表と中日の合同練習が2日、名古屋のバンテリンドームで行われ、ゲーム形式のマウンドに上がったパドレスのダルビッシュ有(36)が中日の岡林勇希(21)の右膝にデッドボールをぶつけ、岡林が病院に直行するという不測の事態が起きた。動揺したダルビッシュは、連続タイムリーを浴びるなどして、途中で一度、降板。その後、立ち直って50球の調整登板を終えた。幸いにも岡林の骨には異常はなく大事には至らなかったが、WBC本番に向けてダルビッシュのメンタルへの影響はないのだろうか?

 「岡林選手に何もない事を祈ります」

 

 無人のバンテリンドームが騒然となった。
 ダルビッシュは、メジャーとの契約上、3、4日の中日との強化試合に出場できないため、先発濃厚とされる10日の韓国戦から逆算して、この日、中日との合同練習でゲーム形式のマウンドに立った。
 1イニング目の先頭は、ダルビッシュが“推し”の岡林。昨年の最多安打タイトルホルダーだ。初球から内角高めにボールが浮いた。続く2球目。150キロを表示したストレートが右膝を直撃。岡林は、その場にうずくまって悶絶、立ち上がることができない。ダルビッシュも心配そうにマウンドを降りたが、中日のトレーナーやコーチ陣が集まり、岡林は1人では歩けずに肩を支えられてベンチへ下がった。
 その様子は、TBS系のワイドショー「ゴゴスマ」で生中継されており、画面がバンテリンドームに切り替わった途端に“悲劇”が起きた、まさかの死球劇にMCの石井亮次も思わず、「ああ、危ない。嘘?デッドボール。大丈夫。珍しい。ダルビッシュさん」と絶句。SNSでは「放送事故か」「岡林大丈夫か」のワードが飛び交う事態となった。
 ダルビッシュは明らかに動揺していた。
 続く大島は一ゴロに打ち取ったが、カリステには四球を与え、一死一、二塁からビシエド、アキーノに連続タイムリーを浴びた。球数が23球になりメジャーでは、ライブBPの1イニングのメドが25球に設定されているため、イニング途中で自らベンチに何やら伝えてマウンドを降りた。
 再びマウンドに戻ったダルビッシュは2イニング目、先頭の高橋周をストレートでライトフライ、木下をスライダーで遊ゴロ、龍空も遊ゴロに抑えて3者凡退。3イニング目は、売り出し中のルーキーの田中にライト前ヒットを許したが、後続を断ち、最後はカリステを膝元へ落とすスプリットでスイングアウト。最速は153キロを記録したが、まったく腕は振れておらず、ぶつけてはならない、と、どこかこわごわ投げているようだった。
 宿舎に戻ったダルビッシュはツイッターに謝罪の言葉を投稿した。
「推しのドラゴンズ相手に投げられるのを楽しみにしていたのにいきなり岡林選手に当ててしまってドラゴンズ、ファンの方に本当に申し訳ないです。 岡林選手に何もない事を祈ります」
 そして「ビシエドとの対戦も覚えていません。。」(原文ママ)と続けた。
 岡林に死球を与えた後にビシエドにタイムリーを打たれたが、記憶が定かでないほどに動揺していたのである。人一倍責任感が強く、人一倍気遣いのできる男だけに、今季中日が最下位から逆襲するためにはなくてはならない期待の戦力の岡林へぶつけたことに相当のショックを受けた。

 

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