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山本由伸が中0日登板で大会MVP(写真・AP/アフロ)
山本由伸が中0日登板で大会MVP(写真・AP/アフロ)

ベッツが明かす「瞬く間にヤマがいけるという話が広まったんだ」山本由伸「中0日」登板志願がドジャースの世界一連覇に与えた無限の力

 ドジャースが11月1日(日本時間2日)、敵地でのブルージェイズとのワールドシリーズ第7戦を延長11回の激闘の末、5-4で逆転勝ち、球団史上初となる世界一連覇を果たした。MVPに輝いたのは中0日のリリーフ登板でシリーズ3勝目をマークした山本由伸(27)だ。6回1失点で勝利投手となった前日に「応援を頑張る」と登板の可能性を否定していた山本がなぜ登板したのか。そして「ヤマがいける」という登板志願が試合前にチーム内に広がり世界一連覇への原動力に変わったことをムーキー・ベッツ(33)が明かした。

 「ヤマモトはGOAT(史上最高だ)」

 デーブ・ロバーツ監督が優勝セレモニーで何度も繰り返して叫んだ。
「ヤマモトはGOAT(史上最高)だ。ヤマモトはGOATだ」
 2001年のダイヤモンドバンクスの“レジェンド”ランディ・ジョンソン以来となるワールドシリーズ3勝。山本が文句無しのMVP。ドジャースのスター軍団が「ヤマモト」コールを繰り返す。
 司会者になぜ連夜の素晴らしい投球ができたのか?と聞かれ、山本は 「ブルペンいくまで本当の自信はなかったですけど。もうわからないですけど、最高です」と返した。
 ドジャースに球団初の世界一連覇をもたらしのは、この身長1m77の日本から来たメジャー2年目の右腕だった。
 世界中の誰もがその目を疑った。
 9回裏だ。土壇場でミゲル・ロハスの起死回生の一発で同点に追いつき、8回からマウンドに上がっていたブレイク・スネルが、一死一、二塁のサヨナラのピンチを招くと、ロバーツ監督は山本を投入した。
 山本は強打者のアレハンドロ・カークに死球を与え、一死満塁の絶対絶命の場面を作ってしまうが、ドールトン・バーショを二塁ゴロに打ち取り、懸命にミゲル・ロハスが足を踏ん張ってバックホームして得点を許さない。さらに続くアーニー・クレメントの打球が左中間を襲ったが、キケ・ヘルナンデスと交錯しながらも、この回から守りについていたアンディ・パヘスが好捕してサヨナラ危機を切り抜けた。
 山本は10回、そしてウィル・スミスの本塁打で勝ち越した11回裏にもマウンドに上がった。
 先頭のウラジミール・ゲレーロJr.にレフト線二塁打を浴び、バントで送られ、一死三塁の同点機で、アディソン・バーガーに四球を与えてしまう。だが、一、三塁にしたことがすべてだった。
 続くカークのバットを叩き折った。打球はショートへ。ムーキー・ベッツは、そのゴロを処理すると自らベースを踏み一塁へ送球し、ダブルプレーを成立させてゲームセット。
 魂の34球を投げ切った山本は両手をつきあげ、スミスが抱えあげ、飛び込んできたナインの歓喜の輪の中で涙を流した。
 山本は前日に負けたら終わりの崖っぷちの第6戦に先発して、6回、96球を投げて1失点の好投で勝利投手となっていた。しかも第2戦では9回、105球を投げて完投勝利をしている。
 前日の試合後の会見では、山本も「明日はいけと言われたらいくけど応援を頑張る」と遠回しに登板がないことを示唆。ロバーツ監督も「明日は全員が投げるが、ヤマは投げない」と明言していた。
 その山本がなぜ中0日で登板できることになったのか。

 

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