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MF中村敬斗がストーカー被害の実情を明かす(写真:松尾/アフロスポーツ)
MF中村敬斗がストーカー被害の実情を明かす(写真:松尾/アフロスポーツ)

執拗な猥褻メッセージにフランスまで付け回し…「ちょっと限度を超えていた」中村敬斗がガーナ戦快勝後に逮捕された65歳ストーカー女性からの被害状況を明かす

 こうした状況も知っているからか。これで解決したのか、と問われた中村は「これからどうなるかわからないですけど」と前置きしながらも安堵感を漂わせている。
「とりあえず(容疑者が)捕まって良かったです」
 第2次森保ジャパンの初陣となった2023年3月のウルグアイ代表戦でデビューした中村は、ガーナ戦前までに20試合に出場して9ゴールをマーク。高い決定力を武器に、左ウイングバックにおいて三笘薫(28、ブライトン)の対抗馬になってきた。
 その三笘のコンディション不良が続き、招集外となった10月シリーズでは2試合ともに先発。日本が通算14度目の対戦でサッカー王国ブラジルから歴史的な初勝利を挙げた一戦では、後半17分に同点ゴールを決めている。
 もっとも、来夏のW杯の舞台となる米国へ遠征し、共催国のメキシコ、米国両代表と対戦した9月シリーズでは中村が招集外だった。
2部へ降格したスタッド・ランスからの移籍を希望した中村に対して、チーム側が断固として拒否。両者の主張が平行線をたどったまま、新シーズンが開幕しても中村がチームに合流していない状況に怪我も相まって、森保一監督(57)が選外とすることを決めた。
 出場すれば自身初のW杯となる来夏の北中米大会へ向けて、中村はよりレベルの高いリーグやチームでのプレーを希望していた。しかし、チームが認めない限り移籍はできない。最終的にステップアップを断念し、スタッド・ランスへ合流したのは9月中旬。そのときにはすでにストーカー被害に遭っていたと見られるアタッカーは、2部降格が決まった5月下旬から続いてきた日々に思わず苦笑いした。
「まあ大変でしたけど頑張ってきましたし、また頑張っていきます」
 ガーナ戦でも左ウイングバックで先発した中村は後半24分に、縦パスを南野、さらに上田綺世(27、フェイエノールト)が立て続けにフリックしたボールに以心伝心で反応。ガラ空きになっていた左サイドを一気に駆け上がり、相手ペナルティーエリアに入ったあたりで右側へカットイン。利き足の右足からカーブ回転をかけた技ありのシュートを放ったが、ボールは惜しくも右ポストの外側を通過していった。
 中村を必死に追走し、最後に追い抜いたガーナの選手はまず縦のコースを切っていた。この試合で再三に渡って縦へ仕掛け続けた結果として、フェイントを使わずに中へカットインできたと試合後には笑っている。
「(相手が縦を)警戒していたからですよね」
 2点リードで迎えた後半30分から南野に代わってシャドーでプレーした中村は、同37分には佐藤龍之介(19、ファジアーノ岡山)との交代でベンチへ下がってお役御免となった。ピッチ外でのストレスから解放された25歳は気持ちも新たに、年内最後の代表戦となる18日のボリビア代表戦(国立競技場)でのゴール締めへ照準を合わせていく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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