「ロス五輪に向けてやっている部分はありますけど…」なぜ東京マラソン日本人トップ大迫傑は34歳にして進化を続けているのか?
東京マラソンが1日、東京都庁発~東京駅前行幸通り着の42.195キロで行われ、日本人トップ(全体12位)を日本記録保持者の大迫傑(34、リーニン)が2時間5分59秒で飾った。また「山の名探偵」の愛称を持つ早大の工藤慎作(3年)は2時間7分34秒で日本人5位の全体20位で、タデセ・タケレ(23、エチオピア)が2時間3分37秒で大会連覇を果たした。34歳にして進化の止まらない大迫の強さの理由に迫った。
昨年12月7日のバレンシアで2時間4分55秒をマークしてわすか3か月
新旧・日本記録保持者の対決が注目を浴びた東京マラソン2026。日本人選手で最後に笑ったのは、34歳のカリスマだった。
終盤、日本人トップ争いは第2集団でレースを進めた大迫、鈴木健吾(横浜市陸協)、近藤亮太(三菱重工)、太田蒼生(GMOインターネットグループ)、工藤に絞られる。
5人はハーフ地点を1時間2分49秒ほど、30kmを1時間29分18秒ほどで通過。鈴木が31kmでペースアップして、序盤に飛び出した橋本龍一(プレス工業)を抜いて、日本人トップに立った。しかし、そのまま押し切ることはできず、34km付近で集団に飲み込まれた。
今度は大迫が36kmから集団の前に出て、工藤と近藤を振り落とす。その後は鈴木と競り合い、新旧・日本記録保持者のマッチアップが実現した。
「走っていて、みんな盛り上がっているんだろうなと思っていました」と大迫は鈴木との勝負を楽しんでいるようだった。
ふたりは40kmを1時間59分29秒で通過。鈴木が揺さぶるも、大迫には通じない。逆に大迫が鈴木を徐々に引き離していく。最後はフェン・ペイヨウ(中国)と競り合った大迫が2時間5分59秒の12位でゴールに飛び込んだ。
大会2日前の会見では、「ミステリーボックスを開けるような感じ」と表現していた大迫。
レース後は、「比較的、走れたかなと思いますね。記録的には問題ないと思うんですけど、順位的にはもっと頑張りたかった。ただ、12月のバレンシアが終わって3か月で、ここまで仕上げられたのは、ひとつ良い経験になったと思っています」と充実の表情を見せた。
大迫は昨年12月7日のバレンシアマラソンで2時間4分55秒をマークして、自身3度目の日本記録を樹立した。そのダメージもあったはずだが、34歳にして過去最短スパンでのマラソンを決意する。
この「新しいチャレンジ」については、「シンプルに3か月でどこまで仕上げられるのか。身体的には行けると思うんですけど、心身ともにということなら、半年くらい空けた方が、フレッシュな気持ちで臨めるのかな」と苦笑いした。
第2集団は予定したペースより遅くなったが、大迫は気にしていなかった。いつものように流れのなかに身を任せて、スペシャルドリンクを取り損ねた鈴木に自分のボトルを渡すシーンもあった。とにかく勝負どころまで静かに駆け抜けた。

