宇野昌磨と本田真凜のアイスダンスでの2030年仏五輪挑戦は成功するのか…「どれだけ難しいかがわかっているからこそ…」
2022年9月の段階で交際を公表している間柄とあって、宇野はいつしか「本田真凜さん」ではなく「真凜」と名前で呼びながらこう続けた。
「ぶっちゃけて言うと、僕じゃなくても真凜のスケートの素晴らしさは伝わると思うんですね。仮に僕じゃない素晴らしいアイスダンサーと組んだら数年でトップレベルで戦っていると思うけど、他の男の人とトップで滑るのを想像すると『いや、それはな』と思って。どうせなら、というか、隣は絶対に自分が、と思ってこの決断になりました」
同じフィギュアスケート種目でもアイスダンスはシングル、さらには2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が金メダルを獲得し、日本中を感動させたペアとはまったく異なる。
まず1回転半以上のジャンプが禁止されている。宇野が「ジャンプのない世界」と言及したのはこのためだ。さらに「りくりゅう」ペアがハイライトのひとつにしたアクロバティックなリフトに関しても、男性が女性を肩より高く持ち上げてはいけない。スピンも男女が別々に行うソロスピンが禁止されている。
一方で、アイスダンスには男性が腰のあたりまで女性を持ち上げるリフトはある。宇野の身長は157cmで、163cmの本田より約6cm低い体格の差が持ち上げる際のネックになるのではないかと周囲は危惧した。
その上で「氷上の社交ダンス」と呼ばれ、ステップや音楽表現を重視するアイスダンスのハードルは高かった。
「シングルも筋持久力的に大変だと思いますけど、アイスダンスも2人でタイミングを照らし合わせるとか、いろいろな作業があるから時間がまったく足りない。必然的に3時間の練習予定が4時間、5時間、6時間となりえる競技だと思いました」
練習内容からまったく違うと振り返る宇野に、本田も思いをシンクロさせた。
「はじめのうちは頼れるコーチを探して、国内のいろいろな地方を回って練習を積んでいたので、2人だけでの練習の仕方も勉強になりました。やらなければいけないことがアイスダンスは多くて、今日はここまで練習しようと決めていても、たとえば最初の2つで4時間、5時間が終わっちゃうところがある。アイスダンスの奥深さに、余計にどんどん惹かれていっているような感覚があります」

