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計量失格の佐野遥渉が"お詫び"の4回KO勝利(写真提供・3150FIGHT)
計量失格の佐野遥渉が"お詫び"の4回KO勝利(写真提供・3150FIGHT)

「プロとしてリングに上がっていいのか」100グラムが落ちず計量失格の佐野遥渉が”お詫び”の4回KO勝利…4キロの水抜き失敗…悩める背中を押してくれたのはあの世界王者からのLINEだった

 100グラムが落ちず体重超過で計量失格となっていた無敗のホープ佐野遥渉(23、亀田)が23日、当日計量の条件をクリアしたため、大阪の住吉区民センターでのバンタム級8回戦に臨み、クリスチャン・レガネ(24、フィリピン)を左のボディショットで4回1分9秒KOで沈めた。試合後、佐野はリング上から謝罪。「プロとしてリングに上がっていいのか」と思い悩んでいたが、IBF世界フライ級王者の矢吹正道(34、緑)にLINEやビデオ通話で励まされ、試合出場を決断できたことを明かした。なお佐野には半年間のライセンス停止処分を科せられた。

 

 「怖かった」

 ”お詫び”の思いをその拳に込めた。
 4ラウンドだ。右のアッパーから左ボディのコンビネーションブローが美しく決まると、フィリピンの東洋ランカーはどさっと倒れ、悶絶したまま動けなくなった。
「練習してきた得意のパンチ。倒した左ボディは手応えがあった」
 無敗の13連勝を飾るも佐野は喜びを封印していた。
 前日計量であと100グラムが落ちずに失格。午後2時の当日計量でリミットの8%プラスとなる57.8キロ以内に抑えることを条件に試合を行うことで相手陣営と合意。57.3キロでクリアして試合が成立していた。
 リング上でインタビューに応じた佐野は涙をこらえきれず、「まずお詫びを言いたいです」と切り出し「プロとして絶対にあってはならないことを犯してしまい、申し訳ございませんでした」と、対戦相手、ファン、スポンサーなどの関係者に謝罪した。
 バックヤードの取材スペースで佐野は深刻な顔でこう打ち明けた。
「プロとしてリングに上がっていいのか、と試合前からずっと考えていました。自分で犯してしまった過ちだが(リングに上がることが)怖かった。変な感情で試合をやりました」
 そして計量失敗の経緯について説明した。
「水抜きの失敗です。ガムでの唾だしとかいろんなことを試しました。サウナでも汗が出ない。最後の最後までやったけど落ちませんでした」
 計量の前夜に静岡の自宅で行った水抜きは4キロ。
 これはスーパーフライ級時代と同じペースだったが、4月にキルギスで予定していたWBA世界スーパーフライ級暫定世界戦が5月に延期になった末、LUSHの資金難で中止となり、結果的に昨年の10月のWBAアジア同級タイトル戦以来、試合が空くことになり、その間に体が想像以上にでかくなっていた。
 さらに今回初めて「ウォーターローディング」と呼ばれる、あえて水分量を多くとる期間を設けるという減量方法を取り入れたが「それが合わなかったというかやり方を間違えて失敗してしまった」という。
 残り800グラムが落ちないまま計量場所である大阪へ移動。
「直前まで動いていたが100グラムが落ちなかったんです」
 定刻に30分以上遅れて計量場所についた際には顔が真っ青。パンツを脱いで計量器に乗ったがリミットの53.5キロを200グラムオーバーしていた。1時間ちょっとの猶予があり、トイレにこもり、トレーナーが代謝を促し汗を出さそうとマッサージなどを試みたが、100グラム落ちただけだった。
「今回は減量を考え過ぎたこともよくなかった」とも言う。
「失敗してしまってSNSでもいろんな声があった」
 試合出場を思い悩む佐野の背中を押してくれたのは同じボクサーだった。
「そんな中でも世界チャンプの矢吹さんや今まで戦ってきた対戦相手の方々から心配のメールをいただいたんです」
 同じ中部地区のジム所属で「3150FIGHT」で共に戦ってきたIBF王者の矢吹からは、LINEと当日もビデオ通話で励まされた。
「リングの中で精一杯戦って。楽しんで」
 その言葉で気持ちが楽になった。
「気持ちが切り替えられました」

 

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