「プロとしてリングに上がっていいのか」100グラムが落ちず計量失格の佐野遥渉が”お詫び”の4回KO勝利…4キロの水抜き失敗…悩める背中を押してくれたのはあの世界王者からのLINEだった
だが、減量失敗の影響はもろに体調に現れた。水抜きに入るまでは絶好調だったが「足が浮いたようで、絶好調とは言えない状態で試合に入りました。あまり足も動いていなかった」という。
1ラウンドからジャブとスピードで圧倒していたが「怖かった」と告白した。レガネに距離をつめられ、ロープを背負い、パンチをまとめられ何発かアッパーも被弾した。
「(パンチを)受けちゃいけないところで受けてしまった。相手のパンチもあった」
序盤から右ストレートを放つ際に、がら空きになるボディに効果的なショットを決めていたが「狙いすぎてそれが相手に読まれていた」という。ギリギリの中での衝撃のKO勝利だった。
体重超過したボクサーは転級を検討せねばならない。
バンタム級でさえクリアできなかった佐野は「スーパーフライは正直きつい」とした上でこう明かした。
「階級としては失敗してしまいましたが、しっかり(体重管理の方法を)勉強して栄養士をつけてやればバンタムでもいけると思うんです。陣営やトレーナーと話しあってバンタムか、スーパーバンタムかを決めたい」
1m74の長身を生かすためにはできるだけ下の階級で戦いたいのが本音なのだろう。
一度は、JBCルールや協会の申し合わせの影響を受けない海外で裏技的に暫定世界戦にまでたどり着いたが、亀田ジムへ移籍し日本のリングで戦っていく以上、世界挑戦のパスポートとなる地域タイトル獲得に照準を絞る。
「自分と向き合って反省して、また支援をしてもらえるようなボクサーになりたい。まずは日本、アジアチャンピオンを狙いたい。そこから世界に向かって頑張ります」
バンタム級の地域タイトルホルダーはレベルが高い。日本王者は元OPBF東洋太平洋王者でもあるハードパンチャの栗原慶太(KODLAB)、OPBF東洋太平洋王者が新王者となったばかりの倒し屋の中山慧大(六島)、WBOアジアパシフィック王者も評価の高い伊藤千飛(真正)だ。ただ計量失格により、JBCから半年のライセンス停止処分を受けるので、リング復帰が解禁されるとき、どんな勢力図になっているかはわからない。苦手そうなインファイトなどに課題はあるが、長身を生かしたジャブとスピード、そして、そのボクシングセンスは魅力的なボクサー。今回ジムが移籍したばかりとはいえ管理責任を全うできなかった会長の亀田興毅氏のプロモート力が試されることになるだろう。

