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阪神の湯浅が8回二死一、二塁のピンチからの回跨ぎでゲームを締めて“プロ初セーブ”
阪神の湯浅が8回二死一、二塁のピンチからの回跨ぎでゲームを締めて“プロ初セーブ”

なぜ阪神・矢野監督の“CSスペシャル采配”が成功したのか…2位の横浜DeNAを下し初戦勝利ファーストS突破確率は86%

 1回一死一塁で佐野が併殺打。2点を取られた5回裏には、抜擢を受けた藤田が内野安打で出塁して反撃機を作ったが、森がバントを失敗。追い込まれヒッティングに切り替えたが、三振に終わり、走者を進めることができなかった。一死になってからも執拗に嶺井にバントで送らせ、今永に代えて代打の戸柱を送り、1点を取りにいったが、果敢にインコースを攻められた戸柱は一塁ゴロ。4つの盗塁を決めるなど機動力をフルに使って得点圏に走者を進め、ジワジワとプレッシャーをかけてきた阪神とは対照的に横浜DeNAは積極的に取り組んできたはずの“見えない攻撃“の面で一歩ヒケを取った。前日会見で三浦監督がキーマンに指定していた1番の桑原がノーヒットで3打席出塁できなかったことも響いた。
 三浦監督は「早め早めを意識して」の短期決戦用のタクトをふるい、入江が、2イニングをシャットアウトするなど、流れも作ったが、史上最多の観客動員を更新した3万3033人のファンの期待に応えることができなかった。
 それでも三浦監督は「もう切り替えている。1敗したことは変わらない。まだ試合ができるわけだからね。選手もやり返そうと思っている」と前を向いた。試合終了と同時にダグアウトに「明日!」という声が響いたという。
 阪神は王手をかけた。過去14度のセのCSの歴史を紐解くと、初戦を取ったチームのファーストステージ突破確率は86%である。
 湯浅はチームを代表して「明日はみんなで力を合わせて勝つので、明日も熱々の応援をよろしくお願いします」と叫んだ。
 だが、すべてが盤石かと言えばそうではない。大山、原口の4、5番がノーヒット。追加点を取らねばならない場面で犠飛の1本が出ず、佐藤は2回の第1打席にバットを折りながらヒットは打ったが、ストレートに立ち遅れていて状態はよくはない。ひとつ間違えれば“逆シリーズ男”で終わる危険性もある。7回には小幡のバント失敗、併殺打もあった。
 一気に決めにいく阪神は、今日9日の第2戦に防御率2.63、9勝5敗の伊藤を先発マウンドに送る。今季横浜DeNAに5試合投げて2勝2敗、防御率1.58の成績を残すが、直近の2試合(8月10、24日)は2連敗している。
 一方の「燃やせ、反撃の炎」というスローガンでCSに挑んでいる横浜DeNAは、防御率2.77、11勝8敗の大貫を立てる。大貫は今季阪神戦には6月28日(横浜)の1試合にしか先発していないが、7回2失点に抑えて勝ち投手になっている。1敗から連勝してファーストステージを突破したのは、セでは、過去に2度しかないが、そのうちのひとつが、ラミレス監督時代の横浜DeNAで土砂降りの甲子園で阪神に勝った2017年の伝説のファーストステージである。阪神が一気に決めるのか。それとも横浜DeNAの“逆王手”か。プレイボールは午後2時だ。
(文責・RONSPO編集部)

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