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阪神は糸井嘉男の引退試合に勝利で花を添えることができなかった(資料写真・黒田歴夫)
阪神は糸井嘉男の引退試合に勝利で花を添えることができなかった(資料写真・黒田歴夫)

誰が悪いのか?阪神が4連敗でCS圏外どころか最下位転落危機…糸井の引退試合に延長11回”守乱”からまさかの6失点で5位転落

この日が引退試合だった糸井が2点を追う5回に先頭打者として代打出場。逆方向のレフトへヒットを放った。通算1755本目のヒットが導火線となり、1点を返し、6回には梅野の同点アーチが飛び出して粘りを見せた。だが、あと1点を勝ち越せなかった。高代氏は矢野采配の”硬直化”を指摘した。

「重要なゲームになればなるほどベンチが動かない。そういう空気は選手に伝染する。選手は、アウトになったらいけないと保守的になり、思い切りがなくなってしまう。7回も代走の熊谷は、動くべきだったし、10回も代走の島田は三塁へいかねばならなかった。打って点が取れないのだから、そういう小さい積み重ねが大切になってくる」

 高代氏がピックアップしたのは7回一死から糸原が四球を選んだ場面。ベンチは代走熊谷を送ったが、近本、大山の打席で動くことはなく、2人は連続三振。10回には、一死一塁から原口が一、二塁間への技ありのヒットでつないだが、一塁走者の代走島田は、自分の後ろを抜けていく打球で三塁へ進むことができず二塁でストップしていた。結果的に続く佐藤、梅野が連続三振に倒れたのだが、一死一、二塁と、一、三塁では広島へかけるプレッシャーは違っただろう。

 まったく同じ勝敗数で並んでいた広島に敗れたことで5位に転落。3位の巨人が2-1で横浜DeNAに勝ったため、CS圏内の巨人とのゲーム差は「2」に広がった。

 残り4試合。巨人は阪神より2試合多いため、阪神は、いよいよ崖っぷちに追い込まれた。

「勝負は下駄をはくまでわからないが、かなり厳しい状況に追い込まれたことは間違いない。順位が上にいてしかも試合数が多い巨人が有利。阪神を眼下に見て、勝ち負けを計算しながら試合を進めることができる。巨人との直接対決は、もうないのだから阪神は残り4試合をすべて勝って待つしかなくなった。とにかくいらないミスをなくすこと。それには万全の準備を整えるしかない」

 明日23日にマツダスタジアムで広島戦を戦い、3日空いて、27、28日に神宮でヤクルト戦、10月2日の甲子園での最終戦もヤクルト戦だ。

 だが、一方で3ゲーム差と迫られている最下位の中日は、阪神より5試合も多い9試合を残しており、阪神に屈辱の最下位転落の可能性さえ出てきた。9試合の中に巨人との3連戦が残っているため、中日の奮闘は、阪神のCS出場可否にも大きくかかわってくるのだが、阪神は残り4試合にすべて勝たねばチャンスも出てこないし、最下位転落の危機とも隣合わせなのだ。

 矢野監督は「もう勝つしかない。状況が厳しいのは重々分かっている。もうやるしかない」と言葉を絞り出したという。

 糸井の引退セレモニーが終わったのが23時40分。阪神電車が臨時列車を出す”神対応”をしたが、帰路につく約4万2000人のファンの心中は複雑だったに違いない。

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