森保監督はポストプレーのできるFW大迫勇也をW杯メンバーから外した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
森保監督はポストプレーのできるFW大迫勇也をW杯メンバーから外した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

森保Jは大迫、原口抜きでW杯のグループEを勝ち抜けるのか?

 ポストプレーを武器とする大迫が最前線に入れば、ボールをまず大迫に預け、キープして時間を作っている間に2列目の選手が相手ゴール前へ侵入していく攻撃が可能になる。実際に大迫が離脱するまでは、日本はこの形を攻撃の中心にすえてきた。
 しかし、23日のグループリーグ初戦で対戦するドイツは、身長191cm体重85kgのアントニオ・リュディガー(29、レアル・マドリード)、195cm89kgのニクラス・ジューレ(27、ドルトムント)らのセンターバックを擁する。日本時間12月2日未明に最終戦を戦うスペインも、192cm80kgのパウ・トーレス(25、ビジャレアル)が最終ラインに君臨する。
 神戸で復調を果たし、国内では格の違いを見せつけている大迫だが、国際試合で十分な強度を持ってプレーできるかどうかは不確定要素が大きい。ましてやワールドカップの戦いで、パワーとサイズを兼ね備えたセンターバックと対峙した場合に、預けられたボールを大迫が失ってしまえば日本がカウンターを食らうピンチに早変わりする。
 さまざまなシミュレーションを積み重ねてきた森保監督は、ドイツ、スペインのワールドカップ優勝経験国と戦う際のスタイルを「堅守速攻」に定めた。
 しかも、自陣に引いて守っていてはおのずと守備網が決壊する。イメージとして共有したのは、2-0で快勝した9月のドイツ遠征のアメリカ代表戦の前半。1トップの前田大然(25、セルティック)が自慢のスピードとスタミナを駆使してハイプレスを繰り返し、ボールの奪いどころを定めた上でショートカウンターを狙う戦法となる。
 前田がガス欠になれば、同じくスピードを武器としながら馬力と得点力を併せ持つ浅野拓磨(27、ボーフム)か、あるいは相手ゴール前のポジショニングに長け、多彩なシュートの形を持つ上田綺世(24、セルクル・ブルージュ)を投入する。中3日という過密スケジュールを考えれば、27日のコスタリカ代表との第2戦では浅野か上田が先発する可能性もある。
 いずれにしても、ボールを奪った後に攻めるルートはサイドが中心となる。
 形の上では大迫の代わりに右サイドバックの山根視来(28、川崎)が、原口の代わりにMF相馬勇紀(25、名古屋グランパス)が選出された。これが何を意味するのか。
対ドイツ戦では消耗戦が予想され、特にディフェンダー陣の不慮の故障やカードをもらうケースも想定する必要がある。ゆえに攻撃の形からポストプレーを排除した森保監督は、熟考した末に大迫を外し、最終ラインの層を厚くする決断を下した。
 さらにサイドアタッカーの層をより厚くする上で、国内組だけで臨んだ7月のEAFF E-1サッカー選手権で得点王と大会MVPを獲得。日本の優勝の原動力になった相馬を加えた。

 

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