真昼の決戦となるコスタリカ戦を想定して日本代表は酷暑の中で調整した
真昼の決戦となるコスタリカ戦を想定して日本代表は酷暑の中で調整した

明日W杯コスタリカ戦…勝利でも森保Jに残る”最悪のシナリオ”とは?

 

 

 せめてナイジェリアと引き分けに持ち込んでいたら。もっとハンガリーに得点差をつけて勝っていたら。26年も前の悔恨をめぐる“たら・れば”が、カタールW杯にも当てはまる可能性は決してゼロではない。その場合、対象となるのは初戦で大敗を喫したコスタリカとなる。
 コスタリカ戦は、ただ勝利するだけでなく、スペインのようにできるだけ多くのゴールを奪わなければいけない展開にもなるのではないか。25日の練習後に取材対応したDF板倉滉(25、ボルシアMG)は、コスタリカ戦へ向けてチーム内で共有されているメンタリティーにこう言及した。
「結果的に点が取れたらいい、というのはもちろんありますけど、まずは勝ち点3を取ることに集中したい。それほど簡単にいく試合ではないと思っているので、しっかりと準備していきたい」
 この日の練習は冒頭部分を除いて非公開とされ、コスタリカ戦へ向けた戦術が確認された。しかもこれまではカタール時間の夕方だった練習開始時間が、ピッチ上の温度が30度を軽く超える酷暑の午前中に設定された。13時キックオフのコスタリカ戦をにらんだ措置だ。
 中東での初開催となる今大会は、ピッチ上を含めて冷房設備が整ったスタジアムが“目玉”となっている。もちろん、コスタリカ戦が行われるアフメド・ビン=アリー・スタジアムも例外ではない。練習後にメディアに対応したMF久保建英(21、レアル・ソシエダ)は「スタジアムはここまで暑くないと思う」と苦笑しながら、コスタリカ戦を次のようにみすえた。
「コスタリカの前回の試合は事故みたいなもので、2度、3度と起きるものではない。ただ、相手も後がないなか、おそらく前から来ると思う。どちらかというと、日本のカウンターが増えるのかなと。オープンな展開になると思うので、前線の選手が本来の輝きを出せるのかなと思います」
 4大会連続でW杯代表に名を連ね、ドイツ戦で出場試合数を日本人最多の「12」に更新したDF長友佑都(36、FC東京)も24日のメディア対応で、図らずも久保と同じニュアンスの言葉を残していた。経験という引き出しから長友が引っ張り出したのは、日本が1-4でコロンビア代表に完敗した、2014年のブラジル大会のグループステージ最終戦だった。
「追い込まれて、勝たなければいけない状況で思い出すのがコロンビア戦なんですよね。あの試合の僕たちは勝つだけでなく、できるだけ多くの得点を取らなければいけなかった。前がかりになった僕たちのパワーを上手く利用され、カウンターで決められた経験が今回は逆に生かせると思う」
 苦い思い出となっている一戦で日本をコスタリカに、試合巧者でもあったコロンビアを日本に置き換える。異なるのはコスタリカが伝統的に、堅守をベースにしたチームという点だ。それを踏まえてMF三笘薫(25、ブライトン)も次のように続いた。
「守備のチームなので、先に1点を入れられたときにメンタル的に落ちやすいのかな、と。ただ、もし先制したときの守備はすごく堅いチームなので、そこは慎重に入らなければいけない。ボールは持てると思いますし、連動する守備はあまり得意ではないはずなので、中盤にスペースができたときには背後を狙う。相手が(最終ラインを)5枚で守ってくる時間帯もあるので、そこでの崩し方というものをチームとして共有しながら、同時にカウンターの対策もしていかないといけない」

 

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