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W杯カタール大会から帰国した森保監督と吉田キャプテンが記者会見
W杯カタール大会から帰国した森保監督と吉田キャプテンが記者会見

帰国会見で是非論が再燃…クロアチアに負けたPK戦で日本が採用した立候補制は本当に正しかったのか…森保監督「”たられば”はある」吉田は「間違っていたとは思わない」

 FIFAワールドカップ・カタール大会での戦いを終えた日本代表の森保一監督(54)ら代表の一部メンバーが7日、帰国した。森保監督は、キャプテンの吉田麻也(34)、サッカー協会の田嶋幸三会長(65)、反町康治・技術委員長(58)らと共に記者会見に臨んだ。吉田がコスタリカ戦ハーフタイムでの”監督ぶちきれ事件”を暴露するなど、和気あいあいの雰囲気で進んだ会見で、シリアスな問答になったのが、ベスト8進出を阻まれることになったクロアチア戦のPK戦の問題だ。立候補制を採用して、南野拓実(27)、三笘薫(25)、吉田の3人がセーブされたが、森保監督が「私がすべて決めていれば結果も違ったかも」と言うと、吉田が「選手側としては間違ったと思っていない」と反論をするなどの議論が起きた。

 吉田がコスタリカ戦の森保監督ぶちきれ事件を暴露

 

成田空港には5、600人のサポーターが詰めかけて「サムライブルー」の帰還を歓迎した。森保監督を先頭に吉田、町野、伊東、酒井、堂安、南野と続き、三笘、鎌田や前田らの姿が見えると「ブラボー」「ありがとう」などの声が飛んだ。グループステージでドイツ、スペインという優勝経験のある大国を倒した。クロアチアにPK戦で敗れ、目標としていたベスト16の壁は越えられなかったが、日本中を睡眠不足にして熱狂させた。
 成田空港近くのホテルで帰国会見を行った森保監督は、サポーターだけでなく日本国民に対して感謝の意を伝え「こんなにも喜んでいただいているとは思っていなかったので空港で驚きを感じた。本当は我々の方が『ありがとう』という喜びの気持ち。温かく出迎えていただき、本当に幸せな気分になった」と笑顔を浮かべた。
 当初会見出席の予定がなかったキャプテンの吉田も「素直にうれしい。本当だったら1人1人と握手したいぐらい」と喜びを伝えた。そしてチームとして「国民全員と一緒に戦う」という気持ちをキーワードにしていたと明かし「こういう一体感はうれしかった」と続けた。
 またW杯の4戦で一番印象に残った場面を聞かれた吉田が「コスタリカ戦のハーフタイム(0-0で前半終える)で森保監督がぶちきれたところ」と暴露。0-1で敗れたグループステージ第2戦のハーフタイムだ。
 その中身を聞かれた森保監督が「相手の選手と対峙した局面で(相手に)上回られているところがあったので、より相手より強い気持ちをもって戦おうと。今、それを(正確な)言葉にするとハラスメントの問題になるので言えないが(笑)。技術や戦術はおろそかにしてはいけないが小手先の策で世界の強豪に勝っていくのは大きな間違い。強くなりたい、上手くなりたい、勝ちたい、絶対に勝ってサポーターと共に喜ぶという強い気持ちのある方にボールが転がってくるしゴールも奪える。そこを選手に伝えた」と説明するなど、喜びと感謝にあふれる会見となった。
 その中でシリアスな問答となったのがクロアチア戦でのPK戦問題だ。
 1-1のまま延長戦でも決着がつかず、PK戦では1人目の南野、2人目の三笘が連続でセーブされ、3人目の浅野は決めたが、4人目の吉田も止められた。クロアチアは4人中3人が決めてPK戦だけで言えば1-3の惨敗だった。一夜明けて南野が、その場での挙手による立候補制だったことと、事前に知らなかったことを明かして議論になった。
 その場で、5秒くらい誰も手をあげず、南野が名乗り出てプレッシャーのかかる1番手を買って出た。試合後、南野は森保監督から「1番を蹴ってくれてありがとう」と声をかけられたという。
 PKに失敗した選手をバッシングする声はなかったが、ネット上では、「その場の挙手で決めてよかったのか」「選手に責任を押し付けることにならないか」「PK戦のやり方を選手に事前に伝えておくべきでは?」など、その立候補制の是非を巡って疑問の声があがった。

 

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