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5月7日、横浜アリーナで井上尚弥がWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトンに挑戦する(写真・山口裕朗)
5月7日、横浜アリーナで井上尚弥がWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトンに挑戦する(写真・山口裕朗)

なぜ5.7横アリで井上尚弥とフルトンの「世界が注目の史上最大のビッグマッチ」が実現するのか…奇跡的タイミングと日本で急速に発展する映像配信ビジネスマネー

 昨年4月に実現した元WBA世界ミドル級王者の村田諒太(帝拳)とIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)のビッグマッチからアマゾンプライムビデオがボクシングイベントのライブ配信に参入したことが始まりだった。さらにアマゾンプライムビデオは。井上と元WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)の再戦を続けて配信したが、想定以上の視聴者数と、大きな反響があったことで、今度はNTTドコモが参入し、昨年12月の井上対バトラー戦を配信した。今回はNTTドコモが4月12日からスタートさせる新しい映像配信サービス「Lemino」を広く普及させるための起爆剤的なコンテンツとして井上のビッグマッチを無料でライブ中継することを決定。さらに放映料がアップされており、フルトンを日本に呼ぶファイトマネーを捻出できる環境が整ったのである。
 全米のリングでも軽量級では、とても出せない金額を急速に進んだ日本の映像配信ビジネスにより、日本で出せるようになったことが「世界が注目の史上最大のイベント」が日本で開催されることにつながったのだ。
 また「日本での公平な採点」もフルトンが敵地となる日本に赴くことを決断する理由のひとつになったという。
 この世界戦は米国のESPNをはじめ、欧州も含めた全世界で中継される方向で、井上が「過去最大のモチベーション」でフルトンに挑戦するのも当然だろう。
「やってみないとわからないが、自分自身を信じてやるしかない。過去に階級を上げて、ここぞという試合は、自分でももの凄く、いい試合ができている。それが最大のモチベーションが生み出すパワー。どういう試合ができるかわからないが、試合当日、自分自身へ期待して挑みたい。4階級制覇、2階級4団体統一について今はそれほど気にしていない。フルトンに勝つことだけを考えて毎日過ごしている」
 すでに静岡での走り込み合宿を終えた井上は、この日から、新たに招聘した2人のメキシコ人パートナーとスパーリングを開始した。来月にはさらに2人の新パートナーを日本に呼ぶ予定。5.7横アリで“モンスター”は世界のボクシングファンに衝撃を与えるだろう。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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