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東京五輪では19に終わった鈴木亜由子が名古屋で自己ベストを更新する日本勢トップの復活ラン(写真・アフロスポーツ)
東京五輪では19に終わった鈴木亜由子が名古屋で自己ベストを更新する日本勢トップの復活ラン(写真・アフロスポーツ)

10月のMGCで女子マラソンのパリ五輪代表切符をゲットするのは誰だ…名古屋で鈴木亜由子と前田穂南が自己新の日本人1、2位フィニッシュ

 名古屋ウィメンズマラソンが12日、行われ、東京五輪代表だった鈴木亜由子(31、日本郵政グループ)が2時間21分52秒の自己ベストで日本勢トップとなる2位で復活ゴール、また同じく五輪代表だった前田穂南(26、天満屋)が2時間22分32秒で3位に入り、パリ五輪マラソン日本代表選考競技会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)への出場権を得た。これで指定大会がすべて終了。5月31日までに「ワイルドカード」の条件を満たせば出場権を獲得できるとはいえ、MGCファイナリストがほぼ出揃った。

 大幅に増えたファイナリスト

 女子のMGC進出者は現時点で29人。4年前のMGC出場者が10人だったことを考えると、大幅に増えたことになる。なおチーム別では天満屋が最多の5人(松下菜摘、谷本観月、大東優奈、渡邉桃子、前田穂南)、ダイハツが4人(前田瑞生、竹本香奈子、加世田梨花、前田彩里)、日本郵政グループが3人(太田琴菜、鈴木亜由子、大西ひかり)を送り込むことに成功した。
 パリ五輪は東京五輪と同様、MGCで2位以内に入ると日本代表に即内定する。そしてMGCレース後、「MGCファイナルチャレンジ」の当該大会で設定記録を突破した記録最上位者が日本代表に内定して、該当者がいない場合は、MGC3位の選手が日本代表に内定することになる。
 では10月15日に開催されるMGCの戦いはどうなるのか。

 2022~2023年の女子マラソンで最もインパクトを残したのが新谷仁美(積水化学)だ。野口みずきが2005年に樹立した日本記録に12秒届かなかったが、今年1月のヒューストンで日本歴代2位の2時間19分24秒をマーク。中間点までは日本人初の2時間18分台を狙えるようなハイペースでぶっ飛ばした。しかし、新谷はMGCに出場しないことを明言しており、10月のレースは東京五輪代表の3人が軸になりそうだ。
 東京五輪8位入賞の一山麻緒(資生堂)は昨年の東京で新谷を抑えて、2時間21分02秒の日本人トップに輝いた。昨夏のオレゴン世界選手権は新型コロナウイルスに感染して欠場。今年3月5日の東京は序盤こそ日本記録ペースに挑戦するも、12月上旬に左肋骨を疲労骨折した影響が大きく、2時間31分52秒の14位(日本人7位)に沈んでいる。2レース連続で外しているが、自己ベストは日本歴代5位の2時間20分29秒。万全な状態で迎えることができれば、優勝候補の筆頭といえるだろう。

 東京五輪は鈴木が19位、前田が33位と振るわなかったが、昨日の名古屋ウィメンズでふたりとも評価を上げた。
 鈴木は昨年9月のベルリンで2時間22分02秒をマーク。名古屋は中間点を1時間11分20秒で通過すると、徐々にペースを上げていく。27㎞付近でペースメーカーの前に出て、30㎞過ぎから独走。日本歴代11位となる2時間21分52秒で日本人トップの2位でゴールを迎えた。

「前半はペースメーカーの作る流れに乗って、中盤からは自分のリズムで最後まで気持ちを切らさずに走ることができました。MGCに向けての収穫は25㎞以降、自分のペースで終盤まで押していけたことですね。今回が5回目のマラソンで、これまで手探りだった練習がやっと本番とリンクするようになった感触もあるんです。今後は2時間20分を切るとか、そういうところを目指して、自分の可能性を信じて挑戦していきたい。まずはMGCをしっかりと成功させたいと思います」

 

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