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日本が準々決勝でぶつかるイタリアは野茂英雄氏とドジャースでバッテリーを組んだマイク・ピアザ氏が監督だ(写真は資料:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
日本が準々決勝でぶつかるイタリアは野茂英雄氏とドジャースでバッテリーを組んだマイク・ピアザ氏が監督だ(写真は資料:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

伊メディアは大谷先発のWBC日本戦を「(無名選手が)全英で全盛期のフェデラーに勝つようなもの」と半ば“白旗”もピアザ監督は「勝つ機会は十分にある」と“世紀の番狂わせ”を宣言

 いよいよ今日16日、侍ジャパンは東京ドームでイタリアとのWBC準々決勝に臨む。勝てば米国マイアミでの準決勝、決勝ラウンドに進出できる。先発はエンゼルスの大谷翔平(28)で「3番・投手」の二刀流で出場予定でパドレスのダルビッシュ有(36)がブルペンに控える。ドジャース時代に野茂英雄氏とバッテリーを組んでいたことで知られる米野球殿堂入りのマイク・ピアザ監督(54)に率いられるイタリアは、投打に8人のメジャーリーガーを揃え“世紀の番狂わせ“を虎視眈々と狙っているが、イタリアメディアが「日本に勝つことは(無名選手)がウィンブルドンのセンターコートで全盛期のフェデラーに勝つようなもの」と表現するほど、その実力差は大きい。

 エースは大会規定で登板できず

 

 公式会見に臨んだピアザ監督は新日家らしく日本語の挨拶から始めた。
「コンニチワ、オゲンキデスカ」
 1990年代の後半に野茂英雄氏の頼れる女房役として日本でも大人気を博し、建設機器の企業CMに出演したこともある。
「カモン!ジャストミート」のキャッチフレーズの発音をわざと和製英語風にしたなどの当時の裏話も披露した。
 プールAのイタリアは、ダークホース的存在だったが。1次ラウンドの最終戦で1位通過の大本命だったオランダを7-1で下し大逆転で準々決勝への切符を手にした。そのイタリアの前に立ちはだかるのがメジャーMVPの二刀流スターだ。ピアザ監督は、大谷に関して「非常にユニークで、おそらく一生に一度(会えるかどうかわからない)選手だ。明日はそれほど打てる球が来るとは思わない」とリスペクトを示した。
 イタリアが圧倒的に不利であることは間違いなく、イタリアのスポーツ雑誌「L’Ultimo Uomo」は大谷を擁する日本に挑む試合をこう評した。
「東京ドームの45600人の観客を前に五輪王者である日本と対戦すること自体非常に複雑なことだが、マウンドに大谷が登場すれば、さらに複雑な状況になる。MLBで4シーズンを投げて防御率2.96という数字は理屈抜きで、この時代最高の投手であると同時に、バットを振るたびにスタンドインできる打者なのだ。わずか28歳にしてすでに球史に残る名選手として語り継がれているのは、決して偶然ではない。そしてさらに(イタリアにとって)問題なのは、日本が五輪で金メダルを獲得したときに大谷選手がその場にいなかったということ。東京ドームで日本に勝つということは、テニスに例えるなら(無名選手が)ウィンブルドンのセンターコートで全盛期のフェデラーに勝つことに匹敵する」
 4大大会の男子シングルスで20度優勝のロジャー・フェデラー(スイス)と、日本を重ね合わせて、その実力差を表現した。
 さらに逆風も吹く。本来のエースは、メッツ時代の2013年にサイヤング賞を争ったベテランのマシュー・ハービー(33)だが、勝負のかかったオランダ戦に先発して4回で60球を投げたので、中4日を空けねばならない大会規定により日本戦には投げることができない。
 イタリア野球ソフトボール連盟の公式サイトに掲載された記事によると、先発予定は、1次ラウンドの台湾戦に先発したライアン・カステラーニ(26)。1m93の長身右腕。メジャーのマウンドも経験していて2020年にロッキーズで9試合に先発、1勝4敗、防御率5.82、昨年はアスレチックス傘下の3Aでプレーしたが。ワクチン未接種の選手がカナダに入国できなかっため急遽メジャー昇格、ブルージェイズ戦に3試合だけ登板している。速球で牛耳るというよりフォーシームはほとんど投げず、150キロ前後のツーシームと142、3キロのカットボールを駆使して、内、外にボールを動かして“打たせて取る”タイプの投手。ただ、その生命線のコントロールはアバウトでよくない。台湾戦では、一発を含む3安打2四死球2失点で、45球2イニングでマウンドを降りている。
 だが、イタリアは“世紀の番狂わせ”の実現をあきらめるつもりはない。
 ピアザ監督が言う。
「厳しい戦いになると思うが勝つチャンスは十分にあると思う。 ミスをしないこと。日本のようなチームを戦うには守備が大事になってくる。明日は勝つ」

 

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