WBCで優勝した佐々木朗希が今季初登板で初勝利。6回を投げ1安打11奪三振無失点の圧巻投球だった(資料写真)
WBC優勝で佐々木朗希の何がどうスケールアップしたのか…日ハム相手に6回11奪三振無失点で今季初勝利
岩手・大船渡高から佐々木が加入した2020年から、日本を含めた全世界がコロナ禍に見舞われた。プロの世界で声出し応援を経験していなかった右腕は、ロッテや侍ジャパンで呼ばれ続けてきた「ロウキ」の方がしっくり来るとはにかみながら打ち明けている。
「どちらでもいいですけど、僕としては『ロウキ』の方が呼ばれ慣れています」
WBCの準決勝と決勝が行われたアメリカから帰国したのが3月23日。実戦のマウンドに立つことなく迎えた、まさにぶっつけ本番の凱旋登板は、すべてを空振りで奪った2桁奪三振、シーズン初登板初勝利、ダルビッシュ直伝のスライダーの解禁、そして熱狂的な声出し応援に後押しされ続けての6回80球とすべてが初体験尽くめで幕を閉じた。
もっとも、佐々木の視線はシーズンの最後に待つ光景へ向けられている。
「WBCで優勝という、いい気持ちを味わえたので、それをまたロッテでできるようにやっていきたい。今日で借金を返せたので、まだまだこれから頑張ります」
敵地でソフトバンクに喫した開幕3連敗から一転して、日ハムを3タテした本拠地開幕戦シリーズでロッテは勝率を一気に5割に戻した。上げ潮ムードに乗るチームを、WBCでの痺れる戦いで心身ともにスケールアップを遂げた「令和の怪物」が後押ししている。