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鹿島アントラーズは“電撃解任”したレネ・ヴァイラー前監督の後任として岩政大樹コーチの就任を発表(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
鹿島アントラーズは“電撃解任”したレネ・ヴァイラー前監督の後任として岩政大樹コーチの就任を発表(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

鹿島の新監督に就任した“レジェンド”岩政大樹はチームを再建できるのか…タイ、岡山、東大などで経験と勉強を重ねた苦労人

 

 鹿島アントラーズは8日、解任したレネ・ヴァイラー前監督(48)の後任として岩政大樹コーチ(40)が就任すると発表した。岩政新監督は東京学芸大から2004年に鹿島へ加入。2007シーズンから鹿島が達成した前人未到のJ1リーグ3連覇をセンターバックとして支え、2010年のワールドカップ南アフリカ大会代表にも選出された。今シーズンからコーチとして9年ぶりに古巣へ復帰していた岩政氏は、14日のアビスパ福岡戦(県立カシマサッカースタジアム)で初陣を迎える。

「今この状況で自分にしかできないことがある」

 常勝軍団の再建がレジェンドに託された。大きな波紋を広げたヴァイラー前監督の電撃解任から一夜明けて、鹿島が岩政コーチの新監督就任を発表した。

 今シーズンからコーチとして9年ぶりに古巣へ復帰していた岩政氏は、歴史と伝統がある鹿島を率いる心境を、クラブを通じて次のように発表している。

「鹿島アントラーズの監督という仕事は、確かに私の心に志していた未来でしたが、まさかこれほど早くとは想像もしていませんでした。不安や恐れがないかと言ったら、それは嘘になります。ただ、今この状況で、自分にしかできないことがあるとも感じています。そして何より、うちの誇れる選手たち、サポーター、そしてクラブを救いたい。輝かせたい。そう心が傾いたら、悩むことは何も無くなりました」

 瀬戸内海に浮かぶ山口県の屋代島で生まれ育った岩政新監督は、岩国高から東京学芸大をへて2004年に鹿島へ加入。身長187cm体重83kgのサイズを武器とする、高さと強さを兼ね備えたセンターバックとして活躍し、2007シーズンから達成した前人未到のJ1リーグ戦3連覇を含めて7個のタイトル獲得に貢献している。

 鹿島の守備の要に託される背番号「3」を、加入3年目の2006シーズンから8年間にわたって拝命。J1リーグ通算で290試合に出場するなど、輝かしい実績を持つ岩政新監督は、同時に名門クラブへ義務づけられた宿命も経験している。

 たとえば岩政氏が加入して以降の3シーズンで、鹿島はひとつもタイトルを獲得していない。国内三大タイトルを史上初めて独占した2000シーズンを含めて、トータルで9個ものタイトルを獲得した第一次黄金時代を2002シーズンで終えていた鹿島は、世代交代を含めた端境期の真っ只中にあった。

 しかし、クラブ内ではいっさいの言い訳が許されなかった。当時の厳しい雰囲気を知る一人だからこそ、岩政新監督は鹿島を通じて発表したコメントで「アントラーズは勝たなければならないクラブです」と宣言。さらにこう続けている。

「今年も残るすべての試合に勝ち、タイトル獲得を全力で目指していきます。同時に、今鹿島に求められているのは“新しい鹿島”を創り上げることです」

 

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