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阪神の岡田監督は西武戦の連敗に危機感を募らせた
阪神の岡田監督は西武戦の連敗に危機感を募らせた

なぜ阪神の岡田監督は西武戦の連敗に「ズルズルいきそうな負けや。負け続けるでえ」と危機感を募らせたのか?

 天候が心配される今日2日の甲子園でのロッテ戦が雨天中止となると、5日の予備日に組み込まれ、3日からロッテ、楽天、日ハムの9連戦となり、しかも6日は仙台へ移動して即ゲームという強行軍。9日も移動日なしで北海道へ飛んでの日ハム戦。チーム防御率2.66の最強投手陣を誇る阪神といえども、展開次第では、9連戦に投手陣へのひずみがくる。加えて、打線の歯車が狂い始めている。先を読む岡田監督は、そのあたりを見据えて「ズルズルいく」と、この連敗に危機感を募らせ、あえて「負けるでえ」と警鐘を鳴らしたのかもしれない。
 なぜか大型連勝の後に大型連敗はつきものだ。反動なのか、必然なのか。
 岡田監督は現役だった安藤統男監督時代の1982年に11連勝後の8連敗という連勝連敗の“ジェットコースター”を経験している。ちょっとしたボタンの掛け違いで、余裕が、油断に変わると、一気にチーム状態が激変する怖さを身をもって知っている。その予兆のサインも監督経験と独特の感性で察知できる。
 連勝中は“強い虎”を意識しすぎた相手が勝手に転んで自滅してくれていた。
 この日の西武も1回にトップの源田が二塁打で出塁すると、2番の川越に2試合続けてこれまでは多用してこなかったバントを命じ失敗した。2回の三塁手マキノンの右を襲った渡邉のタイムリーも、マキノンが無死一、二塁で素振りのなかったバントを警戒して二、三塁を結ぶラインよりも前を守っていたポジショニングのミスに助けられたもの。8回には一死一塁から大山の平凡な内野フライを一塁の渡部がグラブに当てて落球するという考えられないような大失態で、一、二塁の好機をくれたのだが、佐藤、渡邉と倒れ、得点につなげることができなかった。
「そのうち、5、6連敗するときがくるよ」
 連勝中も、そう言ってリスク管理を忘れなかった岡田監督は、四球や相手のミスにつけこむことができなくなった、この日のゲームに何か嫌な空気を察知したのかもしれない。
 まだ貯金は「16」もあり、2位の横浜DeNAとは5ゲーム差。
 何ひとつ焦る必要はないが、“アレ”を目指すためには、今こそ、それぞれの選手が「考えること」「もがくこと」が必要になる。
 岡田監督が言う。
「明日からも負けるかもわからへんやんか。絶対に止めなあかんわけやから。止めるためにはどうするか?ということや」
 その経験と努力、そして何より成功体験が、この先の勝負どころで、また逆境が襲ってきた際の突破力につながるのだ。

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