大麻成分が検出された井岡のドーピング問題の全貌が判明した(写真・山口裕朗)
大麻成分が検出された井岡のドーピング問題の全貌が判明した(写真・山口裕朗)

大麻成分が検出された井岡一翔のドーピング問題の全真相

 また前回のドーピング疑惑が起きた際には、JBCのずさんな管理体制が次々と明らかとなり、当時の理事長が謝罪するに至った。
 一部では、「JBCが、その意趣返しをしたのではないか?」との意見もあるが、すでに当時のJBC幹部は、全員退陣して、組織の体制は一新されており、安河内氏も「ありえない話」と否定。また「“興行戦争”の煽りを受けて世界戦前に発表したのでは?」という声もあるが、安河内氏は「それがあればJBCがJBCでなくなる」と全面否定した。
 では、今後の展開はどうなるのか。
 JBCは、ドーピング違反はなかったものの、社会的影響の大きい大麻成分が検出されたことを重く受け止め、今後、倫理委員会を立ち上げて、井岡本人のヒヤリングなどを行った上で、なんらかの処分を下すことを検討している。
 井岡のライセンスに影響を与えるような処罰にはならない方向で、今後の井岡の国内でのボクシング活動への影響はないと考えられている。
 一方で、試合直前に激震に見舞われた井岡へのメンタルも含めた再戦への影響が心配される。しかし、陣営は、ここまでの経緯を随時、井岡本人に報告しており、最悪、世界戦前に発表されることも想定していて動じる気配は見せていないという。それでもボクサー生命をかけて挑むビッグマッチだけに集中できる環境ではなくなった。影響がないわけはないだろう。今日23日には、都内で前日計量および公式会見が行われる。井岡の発言にも注目が集まる。

(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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