「彼は私腹を肥やしていく」なぜネイマールは2年総額約582億円の天文学的な金額でサウジクラブのアル・ヒラルへの移籍を正式に決めたのか…ＰＲのＳＮＳ投稿で7900万円

　新天地候補として名前があがった、プレミアリーグのチェルシーやマンチェスター・ユナイテッドの動きも鈍い。スペインのスポーツ紙『MARCA』はこう報じた。
「年俸総額の規制上の問題から、アメリカのメジャー・リーグ・サッカーも現実的な選択肢ではなくなった。そうした状況下で、パリ・サンジェルマンとネイマールが抱えていた問題の逃げ道になったのがサウジアラビアだった。先週からスタートした交渉は、週末になって急ピッチで進められた。アル・ヒラルはパリ・サンジェルマンとネイマールに最高のオファーを出したチームであり、そしてネイマールは億万長者になる契約を結ぶ道を選んだ」
　億万長者の意味をさらに詳しく報じたのが、フランスのサッカー専門サイト『FOOT MERCATO』だった。同メディアは年俸以外の詳しい契約を報じている。
「アル・ナスルのクリスティアーノ・ロナウドがそうであるように、ネイマールはプライベートジェットを自由に使える。結婚していなくても、広大な家屋と大勢のスタッフのもと、女性パートナーと一緒に暮らせる。サウジアラビアでは結婚しなければ同居は認められないが、ポルトガル代表のストライカーと同じく容認されるだろう」
　同メディアはまた、すでに開幕しているサウジアラビアリーグでアル・ヒラルが1勝するたびに、ネイマールが8万ユーロ（約1270万円）の勝利ボーナスを手にすると報じた。一方でネイマール個人のSNSで、サウジアラビアをPRする記事やつぶやきが投稿されるたびに50万ユーロ（約7900万円）の収入になる契約を、同メディアは次のように揶揄した。
「ネイマールはサウジアラビアで私腹を肥やしていく」
　前出のロマーノ氏も途中経過を報告するツイートで、ネイマールが行き詰まった間隙を縫う形でアル・ヒラル側が提示したオファーを「巨額の入札」と表現。完全移籍合意に近づいている状況を、ちょっぴり皮肉を込めながらこうつぶやいていた。
「ネイマールはこの可能性に誘惑されている」
　最後はプレー環境よりもお金を選んだ、という印象を強く残したネイマールの新天地における第一声を、イギリスの公共放送『BBC』が伝えている。
「ヨーロッパで多くのことを達成し、特別な時間を楽しんできたなかで、常に新しい場所で新しい挑戦と自分を試したいと思ってきた。サウジアラビアには現在、とてつもないエネルギーがあり、質の高い選手がいる。新たなスポーツの歴史を書きたい」
　サウジアラビアの首都リヤドを発信源に、瞬く間に世界中へ広まった今回の電撃移籍。注目の人となったネイマールは現地時間16日に入団会見に臨む予定だ。