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仏レンヌはセルティック古橋亨梧の完全移籍を発表した
仏レンヌはセルティック古橋亨梧の完全移籍を発表した

なぜ古橋亨梧は19億円を超える移籍金でセルティックから仏レンヌへのステップアップに成功したのか…現地報道で見えてきた裏事情

 仏リーグアンのレンヌは27日、スコットランドの名門セルティックから日本代表FW古橋亨梧(30)を完全移籍で獲得したと発表した。2027年6月末までの2年半契約で、移籍金は1200万ユーロ(約19億4600万円)。背番号が「7」に決まった古橋は、レンヌを通じて「有名なリーグで新たな挑戦がしたいと思っていました」と第一声を届けた。ヴィッセル神戸から移籍したセルティックでの3年半で、公式戦165試合で85ゴールを決めた古橋は、なぜこのタイミングでヨーロッパ5大リーグへステップアップできたのか。

「リーグアンはフィジカル的にも技術的にも非常に競争が激しい」

 フランス西部に位置するレンヌの空の玄関口、レンヌ=サン・ジャック空港に到着する姿がとらえられてから4日。古橋の加入がようやく正式発表された。
 レンヌはクラブ公式HP上で、赤黒を基調した新天地のユニフォームを手にしながら、アルノー・プイユ会長兼CEO(50)、フレデリック・マサラ・スポーツディレクター(56)と笑顔で収まる古橋の写真を公開。さらに弾むような第一声を届けている。
「新しいチームメイトと知り合うのが本当に楽しみです。セルティックで素晴らしい年月を過ごした後に、有名なリーグで新たな挑戦がしたいと思っていました。チームのパフォーマンスに、すぐに貢献できればと思っています」
 古橋に関するクラブ間交渉は、2022-23シーズンまでセルティックで2年間プレーし、アル・イテハド(サウジアラビア)をへて昨夏からレンヌでプレーする、ポルトガル出身のFWジョタ(25)の完全移籍とセットで行われてきた。
 そして、細部で時間を要していたとされるジョタのセルティック復帰が発表された直後に、古橋のレンヌへの完全移籍も続けて発表された。形のうえでは実質的な交換トレードとなったなかで、新天地での背番号が「7」に決まった古橋は、さらに次のような抱負をレンヌのサポーターへ向けて発信している。
「リーグアンはフィジカル的にも技術的にも非常に競争が激しいリーグですが、スポーツディレクターは『能力と経験を発揮してほしいと強く望んでいる』と僕に話してくれました。クラブはここ数シーズンのような状況ではなく、目標はリーグの順位を再び上げることだとわかっています。レンヌで全力を尽くす準備ができています」
 古橋は中央大からJ2のFC岐阜をへて、2018年夏に神戸へ移籍。公式戦111試合で48ゴールをマークしていた2021年夏にセルティックへ移籍し、在籍3年半で公式戦165試合に出場して85ゴールを量産してきた。2022-23シーズンにはリーグ戦で27ゴールをあげて、ヨーロッパ主要リーグで日本人初の得点王を獲得した。
 この間、幾度となくステップアップ移籍が報じられた古橋は、2023年夏にセルティックとの契約を見直し、新たに2027年6月末までの4年契約を結んだ。32歳までの長期契約を、地元メディアの『THE SCOTSMAN』はこう報じた。
「ヨーロッパの多くのクラブが興味を示していた、圧倒的な得点率を残すストライカーが結んだ新たな契約は、彼の将来に関するすべての憶測を終わらせた」
 しかし、古橋を重用したアンジェ・ポステコグルー監督(59、現トッテナム・ホットスパー監督)に代わり、ブレンダン・ロジャーズ監督(52)が指揮を執った2023-24シーズンから、他を圧倒していた得点率が下落しはじめた。
 理由はロジャーズ監督の起用法にあるとみていい。実際、今シーズンは出場22試合のうち、先発は15試合にとどまっていた。昨年2月に加入した、身長190cm体重83kgの巨躯を誇るアイルランド代表FWアダム・イダ(23)との併用が続きながらも、それでも古橋は10ゴールをあげて得点ランキング2位につけていた。

 

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