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“昨年ゼロ勝コンビ”の大竹耕太郎と村上頌樹のブレイクが18年ぶりVの原動力となった(資料写真・黒田史夫)
“昨年ゼロ勝コンビ”の大竹耕太郎と村上頌樹のブレイクが18年ぶりVの原動力となった(資料写真・黒田史夫)

【緊急連載2】なぜ阪神に村上&大竹のニューヒーローが誕生したのか…その背景とブレイクを予告していた「岡田の表」とは?

 その開幕第二戦の横浜DeNA戦で、結局、村上は代打の打順の巡りもあり1イニングしか投げなかったが、打者4人に投げて得点を許さず、岡田監督は、その内容から8日のヤクルト戦に先発抜擢するプランを固めた。しかし、雨でローテ―の順番が変わり、村上の初先発は4月12日の東京ドームでの巨人戦になった。そして、その試合で村上は、7回まで衝撃のパーフェクトゲームを続行したのである。
 岡田監督は1-0で迎えた8回に代打を送り降板させた。この采配がネット上で賛否を巻き起こした。代わった石井がリードを守れずに延長戦へと突入したこともあって、まだ84球の村上を降板させて大記録を狙わせなかったことへの批判の声も少なくなかった。
 だが、岡田監督は、プロ3年目で未勝利の村上の先を見て、自信を持たせたまま次へつなげること、何よりチームの勝利を優先させて「ヒットを1本打たれるまで続投」という常識的な采配にあえて背を向けた。試合後には「3点差があれば」「佐々木朗希なら」と降板理由を“岡田語”で説明している。
 結果、この試合が、村上の大ブレイクのエポックになったのである。岡田監督にマジックが点灯した頃に「あの時の判断に後悔はあるか?」と尋ねたことがある。
「ないよ、そんなん。その後をみたらわかるやん」
 2007年の日本シリーズ第5戦の中日―日ハム戦で、山井の完全試合をストップして、9回に岩瀬へスイッチした当時の落合監督の采配に重ねる見方もあった。その采配に賛否は起きたが、評論家時代の岡田監督が、その落合采配を支持していたからだ。だが、岡田監督は、そんな見方を完全否定した。
「全然、全然、ちゃうよ」
 実績も置かれた状況もまったく違っていた。
 岡田監督は、村上を評価していたが、ここまでの躍進は想定外だった。対戦が1巡、2巡するようになっても反動も壁にぶつかることもなく、もう5月からは週頭で相手エースとマッチアップするケースの多い火曜日を任されるようになった。
「ここまでやるとは思わんかった。今年の経験を積んで来年はもっとよくなるでえ」
 大竹は16日の広島戦に先発し、5回を3安打無失点に抑えて11勝目をマークした。これで今季11勝2敗となり勝率.846。横浜DeNAD東の.875に次いでのリーグ2位で、最高勝率タイトルを狙える位置にある。このタイトルは13勝以上が条件となるため、あと2勝を積み上げねばならないが、岡田監督はタイトル奪取への全面バックアップを約束した。
 一方の村上は今日17日の横浜DeNA戦に先発予定。今季10勝5敗の村上は、防御率1.76で、防御率1位をキープしている。規定投球回数のクリアまで残り9イニングと3分の2。岡田監督は「村上にもタイトルを取らせてやりたい」との“親心”を示している。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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